2007年10月30日
君の涙 ドナウに流れ ハンガリー1956
試写会にて鑑賞。
1956年、ソ連の支配下にあったハンガリーの動乱と、その数週間後のオリンピックで起きた水球競技での“メルボルンの流血戦”。
学生運動に身を投じるヴィキという女子学生と、水球のオリンピック選手カルチとの、哀しい世情を通して描かれる恋愛劇。
ハンガリーの失われた歴史を伝えるべく、万感の思いで作られたなかなか力の入った作品。
知らない歴史はまだまだある。。。

ただ・・・私にはちょっと・・・

ヴィキ役のカタ・ドボーに魅力を感じず、動乱の女闘志としてのスタンスも曖昧な気がして、そこへ持ってきての何だか無理矢理とってつけたような恋愛劇の展開が、どうにもハリウッド的メロドラマ仕立てで興ざめ。

水球の試合のシーンなど素晴らしいのに・・・うーむ残念

2007年10月26日
パンズ・ラビリンス

スペイン内戦のその残酷なまでの影響と、試練に立ち向かわざるを得ない子どもを主人公にしたという共通点があるデル・トロ監督作では『デビルス・バックボーン』というスペイン・ホラー

今回はその前作を踏まえて・・・
更に過酷な世情とファンタジーという状況を、1人の少女を主人公として表現された作品として、ダークな中にも美しさと哀しみを称えた物語。
それには心を揺さぶられましたねぇ。
ファンタジーというジャンルが氾濫する映画作品の中で、ちょっとそのジャンルの位置づけを考えさせられるような・・・
ただ魔法がかった愛と勇気の美しく可愛い冒険物語なのかと思って観ると、頭をガツンと何度もなぐられた気がします・・・。

2007年10月23日
ヘアスプレー
でもソレをリメイクしたトニー賞に輝くブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品なんですね〜コレ

まぁリメイクすると聞いた頃は、ジョン・トラヴォルタが女装のオバチャンになるってイメージが先行して・・・
つまりはオリジナルでのディヴァインの役どころですもんね・・・想像しただけで笑ってましたが。

いやこりゃ楽しかった

っていうかオリジナルのカルトっぽさは何処にも無いようで、人種差別というテーマはあるものの・・・
もう目にも耳にも明るく素直な60年代全開という感じで・・・凄くストレートに楽しめる明るいミュージカルでしたなぁ。
主人公のおデブちゃんなニッキー・ブロンスキーの例えようのない魅力と、寅蛍かあちゃんは勿論のこと、他のキャラの力も凄いわ

とにかく文句のつけようのない楽しさでした。

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2007年10月15日
インベージョン
ジャック・フィニイのSF小説『盗まれた街』をニコール・キッドマン主演で4度目の映画化。
監督は『es』『ヒトラー 〜最後の12日間』のオリヴァー・ヒルシュビーゲル。
しかし、3度目の正直ならぬ4度目のリメイクってのも凄いですよね。

過去作品、私はドナルド・サザーランド主演の『SF/ボディ・スナッチャー』しか観ていませんが・・・
50年代の1作目『ボディ・スナーッチャー 恐怖の街』の警世的な未公開作品がなかなかの秀作であったようで・・・
宇宙植物に侵略され、感情を持たない人間もどきが増えていく恐怖にその時代の世相を重ねるという設定が、いつの時代にも何かを考えさせるという、なかなか魅力的な内容なんでしょうね。

ボディ・スナッチャー/恐怖の街 (1956) SF/ボディ・スナッチャー (1978) ボディ・スナッチャーズ (1993)
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2007年10月14日
アフター・ウエディング
公開は10月27日。
久しぶりのネット試写会。

「おぉ〜マッツ・ミケルセンじゃん!」
しかも彼を「いいじゃん!」っと意識した作品『しあわせな孤独』、デンマークのスザンネ・ビア監督作品ですものね。
昨年のアカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品でもあります。
やはり『しあわせな孤独』でもそうでしたが、女性監督らしい繊細な目で、人生やその死、家族やその愛を見つめる作品でしたね。
特に各々シーンでのキャストのアップ、目の表情などが印象的です。

今一番自分にとって大事な事は何か?
簡単なようで、時として見失ってしまっている・・・
そんな事を、ふと考えさせられる作品でした。
やはりマッツ・ミケルセンはこういう作品がよいなぁ。

ネタバレ気味な続きを読む
2007年10月09日
題名のない子守唄
中盤までは非常にヒロインの過去や行動がサスペンスフルな内容でしたねー。
「結末は話さないで!」という能書きの割には、そこまで言うか


まぁだいたい判ってしまう筋書きでしたが・・・。
トルナトーレさんの作品は、何か女性をサディスティックに苦しめ、そうでなきゃ美しく、哀しくないわな〜みたいな所がありますよね〜。
それにモリコーネの音楽が拍車をかける・・・

それでもなかなか驚きのストーリー。
あの人たちの不死身さ加減は一体!?
特に結末は・・・そんでいいんですかい!?
「女は哀しみを食べて生きている」・・・に付け加えるなら・・・
それでも「自己中心的な生き物である!」と・・・・言いたくなるわけでありまする。(笑;)
2007年10月03日
ミス・ポター
ヴィクトリア王朝時代において、今の時代を生きる女性の原点を重ね合わせる内容。
波乱万丈とはいえ、ゆったりとした時の流れに、ファンタジーなシーンを織り込み、1人の職業婦人として生きるヒロインの強さや哀しみをさりげなく描いた佳作、強烈ではなくてもいつまでもフワッと心に残りそうな作品かな。
ヒロインの愛や仕事に対する葛藤だとか、その半生に対する掘り下げ方はちょっと物足りなさを感じる気もするけど、ピーターラビットの世界感を壊すことなく、愛すべき作品になっている点は非常に好感度大だと思う。
ちょっと前半のレニー・ゼルウィガーは初々しさに欠けていている気がしたし・・・そういや久しぶりのユアン・マクレガーも

とは思いましたが、実際にその頃のポターの実年齢は39歳だったとか・・・なるほど・・。
何とミス・ポターもピアフみたいに運命のいたずら的な哀しい恋の終わりを経験していたのね。


湖水地方の美しい景観にもうっとりするし、晩年のポターの生き方は羨ましい限り。
観終わって、何か温かく幸せな気持ちがして・・・
帰って、今うちにある唯一の“ピーターラビット”、WedgwoodのマグカップでTeaを頂きましたわさ。
