この作品で彗星のごとく現れ、アカデミー賞で主演女優賞にノミネートされた、主演のカタリーナ・サンディノ・モレノ。
それはもう一昨年オスカーにノミネートされた『クジラの島の少女』のケイシャ・キャッスル=ヒューズのごとく、彼女がどんな演技を見せてくれるのかと楽しみにしていた作品。
コロンビアの田舎町で暮らすマリア(カタリーナ・サンディノ・モレノ)は、
バラ農園での加工業という単調で希望の無い仕事をする17歳の少女。
母と、子供を抱える姉をはじめとした家族は、若い彼女の収入に頼っている。
そんな鬱積した気持ちを抱える毎日の中で、ボーイフレンドの子を身ごもっていることを知った彼女は職も失い、大きな報酬と未知なるアメリカへの切符に心動かされ、ある仕事を引き受けるのだが・・・。
多くのドキュメンタリー、ショートフィルム等で評価を受けたジョシュア・マーストン監督のデビュー作。
監督はカリフォルニアでも、ヒスパニック系が多い土地の出身ゆえに、移民問題に関しては並々ならぬ関心を持ち、この作品の脚本も、実在のコロンビア移民の女性の話にインスパイヤーされて書いたのだとか。
所謂、ミュールと呼ばれる麻薬を胃の中に入れて密輸をする運び屋の女性の話。
運び屋の話というと、既に新しくないようにも思え、ましてや暗く、ちょっと引くような気もするけど・・・
これが・・・
余計な映画的盛り上がりや、悲壮感を煽る作風ではなく、17歳の少女がミュールになっていく衝撃的な過程から、コロンビアという国の持つ現実まで、淡々としたドキュメンタリーのようでいて、時にはサスペンスタッチ溢れるシーンを配し、ラストには若き希望へとたどり着く、とても魅力的な作品になっていた。
ドラッグの運び屋としてのいろいろな描写は実際のリサーチに基づいたものなのだろうが、
かなり衝撃的で、ドキュメンタリータッチゆえに余計痛いシーンも多い。
特に60粒もの麻薬のカプセルを飲み込むシーンは、見ていても生理的に辛い。
カプセルといっても蚕の繭のような大きさなのだ。
でもそんな現実の過酷さに希望を与えるヒロインを演じるカタリーナ・サンディノ・モレノの魅力は、やはり素晴らしく輝いている。
終始殆ど笑みを見せず、閉塞感や緊張感、若さからゆえの未熟さや無知さを感じさせる彼女。
そしてそれと同時に、内面からにじむような強さを魅せる表情。
中盤彼女が自分でも自覚しない中で見せる母親としての喜びの表情の美しさ。
そんな彼女がラストに踏み出す希望への決断をくだす表情には、楽観的なラストには決して見せないだけの説得力がある。
原題も『MARIA FULL OF GRACE』っと魅力的なネーミングだけれど、ひと粒のひかりがマリアにもたらす希望の気高さを感じるような・・・
(彼女の名前のマリアとはやはり聖母マリアからなのか・・・)
『そして、ひと粒のひかり』というタイトルも映画を観終えると、久しぶりに納得の邦題だった。
カタリーナ・サンディノ・モレノ、これからの出演作が楽しみな若いコロンビア出身の女優である。

彼女やはり光ってましたか!?
衝撃的な内容を映画的に煽らずに静かに見つめるような作風なんですね〜?いいです〜そういうの! なんとか観たいが・・汗;
映画の内容的には、観る前ちょっと引く部分もあったんですが・・・
やはり主演の彼女は素晴らしかったです。
これからガエル君との共演なんかもあるといいな〜って期待しちゃいます。^^
コロンビアって人口の3分の2が女性で、男性は短命が多いのだとか。貧困にあえぐ街では、女性が生活の糧を得る為に意にそまぬ仕事もしなくちゃならないのでしょうね。
映画としては、イギリスのケン・ローチの作品に近いものも感じますが、やはりラテンということで音楽も控えめながらサルサにラテンポップスが独特の空気感を出していました。
ご覧になれるといいのですが・・・
見ていて辛いシーンもありましたけど、それも含めてすばらしい作品でした。
邦題も珍しくよかったですよねー。
噂には聞いていましたが、繭大のカプセルを飲み込むシーンは見ていて痛々しくて。。。
「私の赤ちゃん」と言って微笑んだ瞬間の彼女の輝いた表情がとっても綺麗で、印象深く残っています。
この邦題、観て納得です。つけた人に拍手♪
ご覧になったんですね〜!
本当に彼女のキラッと輝く表情に、ひと粒の希望を感じる作品で、これは見事な邦題でしたよね。^^
私もレンタルしてもう一回鑑賞したいと思います〜!
カタリーナ・サンディノ・モレノの次の出演作は「スーパーサイズ・ミー」にも影響を与えた・・とかの「ファストフードが世界を食いつくす」の映画化だそうですが・・今度は希望はあるのだろうか???楽しみではありますが・・・(^^;
TBたくさんして頂いてありがとうございました〜!とてもわかりやすい文章で的を得ているのですごく読んでいて参考になります★実は8月下旬まで日本にいるので今はアメリカではなかなか見れない邦画に挑戦中です[Em1]
コロンビア映画なんてなかなか見る機会がないですけど、この作品は社会問題を扱っていてもっと他のコロンビア映画もみてみたいなーと思いました。
他の方へのコメントにあったので...ガエル君との共演!私も期待しまくりです(笑)
いらっしゃいませ!^^
今は帰国中でいらしたんですね。
邦画は私もなかなか観にいけなくて、鑑賞本数も少なく、おススメも思い浮かびませんが・・・。(~_~;)
お気に入りの作品に出会えるといいですね!
南米の映画というと、コロンビアのお隣、エクアドルを舞台にした『タブロイド』という作品も観ましたが、貧しい人々の描写が、コチラもドキュメンタリーのように重くのしかかる作品でしたね。
カタリーナとガエル君の共演作品の話題は、今だ耳にしませんが・・・気長に待つということで!(^_^.)b
同じ南米映画でも、『シティー・オブ・ゴット』よりは見やすかったかも。
【神の街】の方は夢も希望も無い環境ながら、『そして、ひと粒のひかり』の方は、ささやかながら希望が感じられるのが良かったです。
はい、『シティ・オブ・ゴッド』は、私も目からうろこ作品でしたが・・・やはり若き女性の、それも好むと好まざるを得なくても、若き母親の希望の光は、一筋に気高く感じますよね。ラストの彼女の表情の、それまでとは違った意味での強さが心に焼き付いております。