2006年01月30日

シリアナ

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試写会にて鑑賞。

自らCIAで仕事をした21年間の実際の記録を元に書いたロバート・ベアのドキュメンタリー小説「CIAは何をしていた?(邦題)」からの映画化。『トラフィック』の脚本家スティーブ・ギャガンが脚色・初監督した政治サスペンス。

まずタイトルのSYRIANA(シリアナ)とは?
(変なタイトル・・・じゃなくて笑;)

チラシによると・・・・
ワシントンのシンクタンク(各分野の専門家を集め、国の政策決定や企業戦略の基礎研究、コンサルティングサービス、システム開発などを行う組織又は頭脳集団)で、実際に使われている専門用語。イラン・イラク・シリアがひとつの民族国家になることを想定する、アメリカによる中東再建のコンセプト

この映画は主に4人の主人公からなる4つのエピソードで構成され、
中東での外交政策、石油産業、CIA・・・至るテロという図式の映画に繋がっていくというもの。
この作品の内容もさることながら・・・
テロの原因の一つには、石油アリとは暗黙のうちに言われている事であり、
明確には知らされなくても、実は薄々わかってはいる恐ろしいことが世の中には多々あるはず。
でもそれを映画という媒体で目の当たりに見せられることに驚愕の作品だった。
「世界で最も恐ろしいタブー、解禁」「知ったら恐い、知らないともっと恐いーーー。」
というキャッチコピーが、まんざら嘘ではないことは納得。

身近な物でありながら、石油という限りある必要不可欠な資源をめぐって・・・

☆中東で長年CIAの活動を続けてきたボブ・バーンズ(ジョージ・クルーニー)が、テヘランでの武器商人爆殺から、スティンガー・ミサイルを持ち去られ本部へ戻るが、次なる使命は、テロ組織に資金援助をしているとされる、アラブ某国の王位継承者、ナシール王子(アレクサンダー・シディグ)を暗殺することだというくだり。

☆スイスのエネルギー商社のアナリスト、ブライアン・ウッドマン(マット・デイモン)が、アラブ某国のパーティーに呼ばれ、不意の悲しい事故から主催者であるナシール王子相談役となるくだり。

☆アメリカ最大の石油会社の合併話に関わり、キャリアアップをかけて、アメリカ司法省を尻目に画策する弁護士ベネット・ホリデイ(ジェフェリー・ライト)のくだり。

☆パキスタンから父親と二人でアラブ某国へ出稼ぎに来たワシーム(マズハール・ムニール)は、突然の解雇から失業を余儀なくされ、失意の中で、イスラム教の神学校へ心のよりどころを求め、知らぬうちに過激派の教義に巻き込まれていくくだり。

然しながらこの作品、この4つのくだりが淡々と並行して語られる訳で・・・
しかも『トラフィック』程、明確な色分けがある訳でもなく・・・
何だか観始めから結構判りにくい・・・それらのエピソードが繋がってくるまでに眠気さえ覚えるほどだけど、一瞬寝ちゃったら判らなくなっちゃうんじゃないかと、私にはそれも恐ろしい映画でありました。(爆;)
いろいろな疑問を投げかけた前半から、繋がっていって結構あっけないラストを迎えるんだけど、それが見終わった後暫くして、ちゃんと私の頭の中で繋がり、各シーンを思い出すという、とんでもない余韻を残してくれた作品。

石油の利権に群がる人間たちの欲望や、その背後にあるCIAやアメリカという国の限りない貪欲さ傲慢さ、それを暴き立てる内容には違いないけれど、石油の恩恵に与って、快適な生活を得て生きている私達にも関係ない話と言えるわけもない。限りアル石油という資源がこの先世界にもたらす問題、理想を掲げても意味を成さない問題を提起している作品でもあるという恐ろしさ。
そんな中で、ワシームという一人の誠実で勤勉な青年のラストには、未だ胸が締め付けられる思いです。

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こぞってこの作品に出演を望んだキャストも豪華で・・・
GG賞で助演に輝いた(もっともこの映画では皆助演?)ジョージ・クルーニーは、パスタ食いの努力実って11s増の、でっぷりお腹に顎鬚よろしく、引退前のベテランCIAの貫禄や悲哀を見事に演じている。
マット・ディモンやジェフェリー・ラッシュに加え、その脇にもクリス・クーパー、クリストファー・プラマー、ウィリアム・ハート等々。
取り分け私は、アラブ某国のナシール王子を演じた、スタートレックDS9のドクター・ジュリアン・ベシア役でお馴染みのアレクサンダー・シディクに会えたのが嬉しかった。彼は最近『キングダム・オブ・へヴン』でもイスラムのナジールというサラセン人を演じていたけど、この作品でも理想を掲げてアメリカの圧制に屈しない知性的な王子を演じてました。いいぞ〜ベシア!^^

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因みに女優人は、マット・ディモンの妻を演じたアマンダ・ピートのみで、『スタンドアップ』等に出演していたミシェル・モナハンのエピソードがあったようだが、どうやらカットされたようである。

posted by ラクサナ at 23:05 | Comment(6) | TrackBack(1) | 2006年 1月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
きのう、今週4本目の試写会で見てきました。(汗)
しっかり頭を働かせて台詞に注意していないと、それぞれのつながりとか、わからなくなりますよね。上映後、けっこう内容について話しあってる人がいましたよ。
恐ろしい真実。げえ〜〜って感じです。
Posted by MACHI at 2006年02月11日 15:57
MACHIさん、相変わらず試写会数多いですね〜!
冬場は大変ですけど、お風邪など引かれませんように。
この作品、観終わって理解するのに一拍間を置きましたわ〜私。(^^;
でも、なかなか上手くできている作品だな〜っと今頃思う今日この頃・・。(笑)
DVD化されたらもう一回観てみたいです。
Posted by ラクサナ at 2006年02月12日 09:37
私も最初は人物や場所が、くるくる変わるので、ついていくのに骨が折れましたよ〜。
でも一つに繋がっていって、
ラストがハピーエンドに終わらないのは、見る人に考えるように示唆しているのかな?とも思えました。
ほんとラストはあっけなかったですが・・・。
え!あの知性的な王子様、私も素敵〜!と思ったけど、
「キングダム・オブ・ヘブン」にも出ていたの?知らなかったです。
今まで、実話ものは過去だったけど、この作品は現在進行中なのが、却って恐ろしさを増す気がしました。
Posted by 紫の上 at 2006年04月03日 18:41
[Em142]紫の上さん
そうなんですよね〜冒頭からぐるぐると・・・大変ですよね。
各主要キャストのエピソードを後でまとめるのも大変難解でした。(^^;
ひゃ!あの王子様、気に入られました!?
スタートレックの「DS9」というシリーズでは、ドクター・ベシアって役どころで人気がありました。彼はスーダンの生まれですが、確か母親が英国人で、マルコム・マクダウェルの甥っ子にあたり・・でもって確か彼の父親側の叔父は、元スーダンの首相なんですよね。そんな訳で、やはり知性的な役どころが似合うので、これからの出演作も楽しみデス♪
Posted by ラクサナ at 2006年04月07日 00:23
私はまだスタートレックの「DS9」というシリーズは見たことがないのですが、これはテレビドラマですか?
今度見てみたいですねぇ〜。
ふう〜、彼は毛並みが良いんですねっ!
道理で、品が備わっていますよね。
Posted by 紫の上 at 2006年04月10日 23:02
[Em142]紫の上さん
はい、すいませ〜〜ん「DS9」、スタートレックのTVドラマシリーズです!
アレクサンダー・シディクは、このシリーズでは、なかなかユーモアにも富んだ、青年医師を演じているんですが、続き物ですしSTの世界なんで鑑賞されるのも大変かと思いますが・・・いつか機会があったらチラリと観て頂けると良いかと思いますが。^^;
Posted by ラクサナ at 2006年04月10日 23:52
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Excerpt: 少しネタバレありここに警告する。1、中東情勢には詳しくない。2、映画「トラフィック」が嫌いだ。3、アラブ人の顔はどれも見分けがつかない。4、マットデイモンのファンだからこの作品を見たい。5、CIAとF..
Weblog: シネマ日記
Tracked: 2006-02-02 15:01
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