2006年04月07日

タブロイド

CRONICAS2.jpg製作が『天国の口、終わりの楽園』『ハリー・ポッターとアズガバンの囚人』のアルフォンソ・キュアロンで、彼が発掘したとされるエクアドルの若きセバスチャン・コルデロ監督の野心作。

『タブロイド』(原題:クロニカス=記録、記事、年代記)という邦題から新聞記者なのか?っとも思ったけれど、この作品は南米のエクアドルで起こった児童連続殺人を追う人気TVレポーターが、思いがけない罠に陥ることから、犯人とマスメディア側の人間の心の闇を描く衝撃作。
レポーター役で主演を演じるのが、あのジョン・レグイザモということもあって、ちょっと期待の作品でした。


CRONICAS4.jpgマイアミに拠点を置くラテンアメリカ人向けのニュース番組のレポーター、マノロ(ジョン・レグイザモ)は、児童連続殺人の取材で、カメラマンとプロデューサーのマリサ(レオノール・ワトリング)と共にエクアドル入りをする。
犠牲者となった双生児の一人の少年の葬儀の後、もう一人の兄弟に取材をするが、突然逃げるように走り出し道路に飛び出したその少年は、不運にも聖書販売業の真面目な男、ビニシオ(ダミアン・アルカザール)の車に轢かれ絶命する・・・。
その現場に居合わせたマロノは、興奮してビニシオをリンチする群集や少年の父親からビニシオを助けることになるのだが・・・


この作品、何ていうか前述したようにサスペンス色は弱いのです。
もう釘付けの冒頭からネタバレ状態・・・なのかも。

CRONICAS.jpgレグイザモはマスメディア側の人間としても、真摯で熱意を持った男を好演している。
しかし、思いの他おとなしいレグイザモに対して、ビニシオ演じるダミアン・アルカザールというメキシコの俳優の並外れた演技が凄い!彼はガエル君の『アロマ神父の罪』で、農民ゲリラを支援する罪を犯した神父役でしたかな。
とにかく、案外普通のレグイザモ君は彼にやられちゃってる気がしましたね・・・内容も存在感も!(^^;

エクアドルというと、南米はコロンビアの西に位置する小国。
ガラパゴス諸島に代表される大自然を有する一方、庶民の暮らしは貧しく、1.4時間に1人が命を狙われ、殺人犯検挙率13.5%という過酷な社会問題を抱えた国であることが映画の中でも重くのしかかる。
そういえば、『そして、ひと粒のひかり』でも、隣国コロンビアの現状をまるでドキュメンタリーのように描いていたのを思い出す。
この作品も、そんな暮らしに不満を募らせる住民たちの暴力や集団リンチのシーンが、またドキュメンタリーのように恐ろしくリアル。
そして、普通の善良に見える人間の内にある、秘められた底知れない闇の部分が見えてきた時、対する常識や正義を持った人間も罠に陥ってしまう・・・という、何とも言えぬ後味の悪さを残す。

って訳で・・・
1時間30分程の意外に地味な作品だが・・・しっかり疲れて・・・後味は非常にヨロシクなく、未だラストを思い出すと背筋が凍る・・・でも見応えアル何とも社会派な作品でした。


posted by ラクサナ at 17:44 | Comment(0) | TrackBack(1) | 2006年 4月映画鑑賞作品
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