2006年05月08日

家の鍵

ienokagi.jpg

自身の体験を著したジュゼッペ・ポンディッジャの「明日、生まれ変わる」を原作とした、ある父と、障害者である息子の出会いによる、苦悩と愛情の物語。イタリア本国で大ヒットし、コチラでもイタリア映画祭2005年のオープニング作品として上映され評判を呼んだ、名匠ジャンニ・アメリオ監督作。

ジャンニ・アメリオ監督作は、今回が初めての鑑賞なのですが・・・
過去カンヌやヴェネチアで賞を撮っている作品『宣告』『小さな旅人』『いつか来た道』などビデオ化されているんでしょうか?(謎;)
主人公の少年の父を演じるキム・ロッシ・スチュアートも、お初なんですが、美形な男優さんだこと。
『ピノッキオ』に出ていたらしいけど、ベニーニさんが凄く苦手なんで未見です。(^^;
そういえばTVMの『赤と黒』で、ジュリアン役を演じているようで、いやいや似合いそう〜観たい!

っとまぁそんなことよりも、映画のほうですが・・・

ん〜何と言うか・・・・
全体的にふぅーっと流されていくというか・・・
それでいて心をゆすぶられる重い台詞に、ふっと目が覚める思いがするというか・・・(ひゃ〜寝ていたのかわたしは!爆;)
飾り立てしない重いテーマなのに、感動を押し付けない、何とも微妙に不思議な感覚の作品でした。

ienokagi-3.jpgジャンニ(キム・ロッシ・スチュアート)には15年前、難産の末に他界した恋人が産んだ障害児である息子がいたが、
若さゆえの父親である自覚の無さと、責任の重さから逃れるため、その息子を亡くなった恋人の家族に置き去りにしていた。
ジャンニは現在では妻子もあり平穏な暮らしをしていたが、捨て去った息子パオロ(アンドレア・ロッシ)の養育者アルベルトからの依頼で、毎年ベルリンの病院へ行くパオロを今年は自分が連れて行くことになるのだった。
初めて会う息子のパオロに戸惑うジャンニだったが・・・・


主演がキム・ロッシ・スチュアートという、また何とも清潔感溢れる良い男のイタリア俳優が果たせるかな父親に!という役柄。
対する息子を演じるアンドレア・ロッシという少年は、実際に障害児であるという。
この物語、ロッシ少年の演技が非常に自然、かつ大胆で、父親役のキムと同じく、観ているコチラも混乱を共有する気がした。
実際に障害を持っているとはいえ、ロッシ少年は同じく障害児であり、尚且つ初めての父親に会うという難しい役を見事に演じている。
二人の出会いのシーンも、障害児とはいえ普通に15歳の無関心さや、TVゲームに興じる姿を持つ少年であり、何だかとてもぎこちないがカラッとしている。そして、ジャンニに対しても容赦ない突っ込みや、要求をするが、時としてどちらが父親なのか判らない賢さや包容力まで感じる。
そんな二人が病院で出逢う、もっと重度の障害を持った娘の看護をするシャーロット・ランプリング演じる母親が、やはり作品を引き締め、この父子二人の物語の行く末を決定ずける要の役割。彼女がジャンニに語りかける言葉の数々が、どれも心にズシリと響く。
そしてジャンニという過去を見捨てた若き父親が、パオロの父親となるのは、パオロが彼自身の新しき家の鍵を本当に持つ日なのだろう。
その日まで、まだまだ過酷ないろいろなことがあるのだろうけれど・・・そんな苦味のあるささやかな希望のラストに、一抹の感動と不安も取り混ざった気持ちを見つめながら鑑賞を終えるのでした。

ienokagi-2.jpg


posted by ラクサナ at 22:28 | Comment(6) | TrackBack(3) | 2006年 5月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
おっ??ラクサナさん、キム君お初でしたっけ??「髪結いの亭主」の女優さんと共演した「アパッショナート」見られてませんでしたっけーーーー?とにかく・・・美形ですよねーーー、お久しぶりに名前が聞けてホッとしとります・・・まだいたのねって・・・(おいおい)。「赤と黒」似合いそうですねーーー!!私も見たいです。
Posted by ドロップ at 2006年05月14日 16:00
本当に普通の少年となんら変わりないほど利発かと思えば、急にパニックになってみたり・・いつも傍にいる人間の大変さがわかりますよね・・観終わってみれば心に残るいい作品だったな〜と思うんですが、実はワタクシ最初の方は少し意識が飛んでまして(汗;) ランプリングさんはさすがの存在感でしたねーいったい何ヶ国語しゃべれるんでしょー。キム様のジュリアンはあまりにも似合いすぎでございましたよ。ちょっと綺麗過ぎかも。
Posted by マダムS at 2006年05月14日 20:33
ラクサナさん!わたしもキム初めてなんですが...「薔薇の名前」は二度観たんですが...記憶になし...今一度観ないと...
パオロ役のアンドレアの名演技に尽きる作品かと思いますが...シャーロットもさすがでありました。
Posted by margot2005 at 2006年05月15日 01:07
[Em38]ドロップさん
キム君『薔薇の名前』には出ていたようですが、まだ10代ですよね?『アパッショナート』って未見のような気がするんですが・・!?(^^;
相変わらず美形で、年齢もソコソコになって、ちょっと哀愁漂う感もありましたよ。
『赤と黒』、ユアンクンより似合う気がしますな。^^

[Em38]マダムSさん
うわ〜〜マダムも意識飛びましたか?
いやん、良かった。こんな重いテーマの作品で、ちょっと居眠りしちゃった自分に大爆でしたが、チョッピリ安心しました。
キムさんがね〜あの息子さんの父親に見えないんですよね〜何だか。それがこの映画の設定に逆に忠実なキャスティングなのかどうなのか、もう私にゃ判りませんが。(笑)さすがのランプリングさんには、しっかり目を覚まさせて貰いましたです。

[Em38]margotさん
マダムとご一緒の鑑賞でしたでしょうか?
私も『薔薇の名前』見直したくなりましたよ!シャーロットさんは、もう出てくるだけで、その面差しの深さにピンと場面が張り詰める感がありますよね〜!
Posted by ラクサナ at 2006年05月16日 01:39
最初はみる予定ではなかったけど、キムさんの凄ーい美形に惹かれてみてきました。
でも見て良かった!
ランプリングの一言一言が胸にずしりときて、
そしてあのハットするような一言には胸が痛くなったけど、誰も彼女を責められない。
15歳の少年の父親には見えない、若くて、美しいけど、気弱で、困惑を隠せないジャンニと
重度の障害を持ちながらも、聡明で明るく、老成さをもった全然似ていないパオロとの対比が
却って良かったかなと思えました。
涙・涙でラストは特にジャンニと一緒に涙を流しました。
Posted by 紫の上 at 2006年05月28日 17:52
[Em38]紫の上さん
キムさんの美形に惹かれてご覧になられましたか!?コメント有難うございます。^^
何とも心もとないキムさん父の姿には、コチラまで居心地の悪さを感じてしまうんですが、同時に、それまで見ぬ我が息子のことがいつも心の中にあったかのような誠実さを感じるキムさんの演技も又なかなかだと思いました。
>ランプリングの一言一言が胸にずしりときて・・
もう〜全くですよね〜!(__;
私もラストは本当に共に泣き、これからを思う・・・って感じでした。(TT)
やはり名匠の描くイタリア映画、一筋縄では行かぬ感がありますよね〜。
Posted by ラクサナ at 2006年05月29日 13:19
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

絵文字
この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/17663996

『家の鍵』
Excerpt: 今年のイタリア映画祭は大盛況のうちに幕を閉じましたが烈 過去2年に映画祭で上映し、大好評だった2作品が現在東京で劇場公開されており、続けて鑑賞して参りました。 若き日、出産で恋..
Weblog: Brilliant Days
Tracked: 2006-05-14 13:36

「家の鍵」
Excerpt: 「Le Chiavi di Casa」...aka「The Keys to the House」2004 イタリア/フランス/ドイツ ヴェネチア映画祭(2004)パジネッティ賞主演男優賞/キム・ロ..
Weblog: ヨーロッパ映画を観よう!
Tracked: 2006-05-15 00:03

家の鍵 Le chiavi di casa
Excerpt: 『家の鍵』Le chiavi di casa 監督:ジャンニ・アメリオ 2005年イタリア映画祭で上映された本作は、2006年4月8日より岩波ホールにて公開。 あらすじ ジャンニ(キム・ロッシ..
Weblog: 私のイタリア映画紀行
Tracked: 2006-05-16 12:09
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。