2006年07月11日

プルートで朝食を

BREAKFAST ON PLUTO-3.jpg

あの『ブッチャー・ボーイ』のパトリック・マッケーブの小説を再び彼と共同脚本で描く、アイリッシュ監督ニール・ジョーダン作品。
キリアン・マーフィー演じるキトゥンの愛情探しのスィートなコメディ♪
プルートは冥王星の意味で、エンドロール一曲目に流れたドン・パートリッジの同名曲からのタイトル『プルートで朝食を』。

はい〜観て参りましたexclamation×2
ひゃ〜ん、良かった、良かったるんるん
ニール・ジョーダン監督といえば『クライング・ゲーム』も思い出して・・・
あのジル役のジェイ・デヴィッドソンは今何処?とか思っちゃうんですが・・(^_^;)
『プルートで朝食を』のキリアン・マーフィーが演じるのは、ジルとは違う個性のなのよねぇ〜ブティック
それは何とも魅力的なキトゥンが主役の物語なのです揺れるハート


BREAKFAST ON PLUTO-2.jpg1970年代アイルランドの小さな町の教会の前で、金髪の女性がバスケットに眠る赤ん坊を置いて立ち去るのを見た小鳥たちが何やら噂話を始めています。
その赤ん坊の名は、後に自らのミドルネームをキトゥンと名のる、ロバート・ブレイデン(キリアン・マーフィー)。
キトゥンは教会のリーアム神父(リーアム・ニーソン)によって、ブレイデン家の養子となり成長するのだが、
幼い頃から幻の母親の姿を追うためか、美しいもの、ドレスや化粧に女の子のように興味を持ち、
いつしか周囲も認める変わり者、女性の趣味思考を持つ青年へと成長する。
そんなキトゥンはある日、居心地の悪い養家と故郷を飛び出し、実母を探してロンドンへと旅立つのだが・・・。


冒頭からルベッツの“Sugar Baby Love”が勢い流れる中、キトゥンが「こまどりにでも聞いて・・」っと、小鳥たちのさえずりを言葉にして始まるオープニングセンスも痛快で、スティーブン・レイ監督にしてはアクがまろやかで、とてもソフィスケイトされている。

勿論監督の描く世界は70年代のアイルランド、ロンドンという設定から、アイルランド独立運動に絡むIRAの活動や爆弾テロのシーンも随所に出てきて、キトゥンの周囲も一瞬で不幸の色を濃くする。でもキトゥンは自分を失わない。
そんな物語なのに随所に笑いのセンスも散りばめられている中、キトゥンの物語を活気付かせ、また泣かせる音楽も秀逸。
面白おかしいシーンの最中なのに、何故だかいじらしさと哀しみに心がいっぱいになる・・・。もうやだ〜(悲しい顔)
ニール・ジョーダン監督作には常連のスティーブン・レイのマジックのシーンで流れる“風のささやき”、カミングアウトするキトゥンに「知っているよ」とレイが答えるシーンには、胸がジーンと締め付けられましたねぇ。
何が良いって・・・ともすれば非常に重苦しく、排他的な立場に追い込まれそうな主人公なのに、生来持っているであろう天真爛漫な、決して自分を卑下したり追い込んだりしない 非常に素直で優しい性格が、キリアン・マーフィー演じるキトゥンの全てに溢れていること。
アブノーマルなのにとっても自然児な彼、平和を愛するそんな彼を見ていてとっても気持ちがいいんです。
そして、なかなか美しい女装姿だけど、オカマちゃんの域を超えていないのも素晴らしく説得力があるキリアン・マーフィーのキトゥン。。。70年代ファッションも素敵で本当にエレガントです。
キトゥンが憧れ慕い続ける母親を追いかけて、愛情あふれるラストへ着地する物語に、本当に癒されました。

bop_12.jpg

当時のポップなヒット・ナンバーから勿論グラム・ロック、ディスコ・ソングなどまで、この作品を彩る音楽の数々・・・。
もう鑑賞前から、予告でも流れていたイギリスのホワイト・ソウル・シンガー、ダスティ・スプリングフィールドの唄う“風のささやき”♪に参った方も多いのではないでしょうか?「ミー・トゥ〜!」でございます。(^^;
そして、作品中キトゥンの最初の男性となるロッカーのビリー役、ギャビン・フライデー。
80年代にヴァージンプリューンズを率いて、後にソロヴォーカリストとして、知る人ぞ知るってな個性あるパンク・ヒーローだったU2のボノと同期だったギャビン。
まさにケルト民族の血が騒ぐってなお顔に、野太いヴォイスがたまりません。
BREAKFAST ON PLUTO-1.jpgこの人映画は初出演でしょうか・・・映画音楽には数々携わっているようですが、何とも良い味を出してましたね〜!
いや〜ん、でもってインディアン・グラム・ロック風のバンド、ビリー・ロック&モホークスのステージのシーンでは、ちゃんとキリアン・マーフィーとのデュエットまで見せて、聴かせてくれてました。

他に流れるのは、オリジナル、モーリス・アルバートの“フィーリングス”、パティ・ペイジの“ワン・ワン・ワルツ”に、ニルソンの“ME AND MY ARROW”、T・レックスの“チルドレン・オブ・ザ・レボリューション”、後半にはヨーロピアン・ディスコからドイツ出身のシルバー・コンベンションの“フライ・ロビン・フライ”、出ました不倫の名曲“Me And Mrs.Jones”等々、多分監督にとっても私にとっても懐かしいナンバー。ところで音楽担当のコンポーザー、アンナ・ジョーダンとは監督の身内なんんでしょうかね?そしてこの作品、本当に悪い人間は出てこない気もするんですが、ただ一人、どうしようもない役どころで出ていたのがブライアン・フェリー!(笑;)


posted by ラクサナ at 19:03 | Comment(7) | TrackBack(4) | 2006年 7月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
予告編で見てきました。
こちらでの公開はまだですが、興味津津です。
キリアン・マーフィー凄いですね〜〜〜
私も「風のささやき」を聞いて、腰が浮いちゃいました(笑)
「華麗なる賭け」の主題歌でしたよね〜〜〜〜
レックス・ハリソンの息子のノエル・ハリソンが歌ってたでしょ?!
もっとソフトに歌ってたので、ダスティ・スプリングフィールドのを聞いた時、すぐに思いつきませんでした。
でも懐かしい〜〜ですよね==
Posted by キウイ at 2006年07月17日 00:09
ラクサナさんご覧になったのね!マーフィー適役でしたわ。あの手の表情が素晴らしく女性で、練習したんでしょうねきっと...とにかくmusicとファッションが最高の映画でした!70年代万歳!!
Posted by margot2005 at 2006年07月17日 02:16
王妃さまと、ぜひラクサナさんの音楽解説を話していた作品なので、レビューが見られてうれしいです。
この作品で、キリアンて演技力があるんだと痛感しました。見事なオカマぶり。
Posted by MACHI at 2006年07月17日 10:02
[Em71]キウイさん
いや〜もうルグランの名曲“風のささやき”にはホント参りますよね!^^
『華麗なる賭け』、ノエルの歌が流れると、まるでフランス映画か何かのような気がしちゃいましたっけ・・・。
リメイクの『トーマス・クラウン・アフェア』では、スティングが歌っていましたが、やはりこの『プルートで朝食を』では、ちょっぴりハスキーなダスティの歌声がピッタリでしたよ♪感想をお待ちしております!^^

[Em71]margotさん
ひゃ〜お帰りなさいませ!
お疲れのところ早速TB&コメント有難うございます!
王妃さまの感想もこっそりロムって、いや〜観てきましたです。
本当にキリアン・マーフィー、想像以上にウマかったですね!手の表情・・・さすが王妃、観察眼が鋭い!
70年代万歳〜〜〜!!!ヽ(^。^)ノ
Posted by ラクサナ at 2006年07月17日 10:10
レビューを読ませて頂きました。
音楽に関してはさっぱり分かりませんが、
「華麗なる賭け」の“風のささやき”は是非とも聞きたいです♪
ピンクの帽子の女性はとっても綺麗ですねっ!
え、女性ではない?
レンタル開始したら、絶対見ようと思います!!
Posted by 紫の上 at 2006年07月18日 23:32
ご覧になったんですねー。
キリアン・マーフィが、妙に女性に見えたり、あからさまにオカマチックだったりと、不思議な感じでした。
途中、どうも抑揚のない時間が長く感じて眠気(-.-)Zzも誘われましたが、あのあたりがクライマックスに至るまでの布石として意味があるんでしょうね。
Posted by アンパンまん at 2006年07月18日 23:45
[Em71]紫の上さん
↑のピンクの帽子のキリアン・マーフィー、本当に綺麗ですよね。
ちょっと若き日のドヌーブをも彷彿としている感じ?^^
“風のささやき”も、とっても印象的に使われていますし、他に流れる70年代の曲も馴染み深い物が多いんで、きっと楽しめると思います♪
レンタルになりましたら是非ご覧下さい!^^

[Em71]アンパンまんさん
キリアン君のファンってこともあって、眠気の方は全然大丈夫でした。^^
やはり女性向の作品なのかもしれませんね?
共演もなかなか豪華なキャスティングで、役名も同じくリーアム神父ってことで(^^;
リーアム・ニーソンもイイ味出してましたね。
キリアン・マーフィーの特異な瞳が、素のままだと非常に目立つのですが・・・
メイクした女性になると案外普通に美しいのは、ちょっとしたサプライズでした。(^o^.)
Posted by ラクサナ at 2006年07月19日 09:12
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