2006年07月20日

13歳の夏に僕は生まれた

13sainonatu-4.jpg

『輝ける青春』のマルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督、サンドロ・ペトラリアとステファノ・ルッリ脚本の、イタリアでの移民問題を少年の目を通して描いた作品。原作はマリア・パーチェ・オッティエーリ著の「生まれたからには逃げも隠れもできないー埋もれた民族をめぐる旅」。


何不自由なく暮らしていた13歳の少年が、突然生と死の狭間を体験し・・・
その後、この世の生と死に匹敵するぐらい過酷な状況を生きている人々と生を共有する体験をし・・・13歳の少年の何かが変わる。
そんなとても深刻な内容なのだが、ハッとするシーンや、描写の鋭さ、それらを繋ぐサスペンス色が又豊かなのが素晴らしい。
深く考えさせられる作品でありながら、とても面白かった。

しかし・・・・
イタリアのお父ちゃんってのは、何でこうもイケ面exclamation&question

それにしても・・・
はぁ〜このラスト、余韻が残りまくり・・・もうやだ〜(悲しい顔)

13sainonatu.jpgイタリアの地方都市で、工場を経営する父親を持ち、何不自由なく両親の愛を一身に受け暮らす少年サンドロ(マッテオ・ガドラ)。彼は13歳の夏、父ブルーニ(アレッシオ・ボーニ)と、その父の友人と3人で男同士の地中海クルージングに出かける。
しかしサンドロは、ある夜、誤ってヨットから転落。
父親が気づいた時には、既にサンドロの姿は付近の海上になく、彼はヨットから離れた海面で既に力尽きようとしていたのだったが・・・その時、不法移民を乗せイタリアへ向かう密航船が通りかかり、彼は間一髪救出され、その船で
実は彼を救出したルーマニアから妹のアリーナと共にイタリアへ向かうラドゥという少年と親しくなる。


13歳といえば、ちょうど第2反抗期真っ只中。
裕福で、一人っ子の息子を中心とした両親の溺愛っぷりも、観ていて自然に感情移入でき、
前述したように非常にこのお父さんカッコイイ!(イタリアのヒュー・ジャックマンみたい ^^)
さすがイタリア男で・・・航海に出る前のギリシャでの夜、息子がいても平気で旅先の若い女性たちと会話を楽しんだり、息子に一泡ふかせるくだりなんか、とっても自然に様になってる。
そんな楽しい雰囲気の中で、突然の息子のヨットからの転落むかっ(怒り)
唐突なようだが、ありがちな事故だと思わせる伏線もあり、
その生死を彷徨う姿は、まるで『オープン・ウォーター』を思い出すようで
観ているコチラも息が止まりそうexclamation×2ふらふら

それからがもう怒涛のように物語が進展していくのだが・・・
言葉も通じない他国の人々が、ところ狭しとひしめく密航船の様子は、彼らを金目当てに運ぶ船員たちの悪徳ぶりや、水の確保から排便の様子などまで、何ともリアルな描写。
映画の中のサンドロはラドゥが、自分を海から助けてくれたことも知らないはず・・・そんな中で、言葉をかけてくれるラドゥたち兄妹と親しくなるサンドロ。そして何とかイタリアへ着きサンドロは無事両親と再会できるのだが・・・
13sainonatu-3.jpgこの驚くほど過酷な出来事の描き方が本当に素晴らしく・・・その後のサンドロの変化に納得がいくし、タイトル通り、13歳でまた生まれ変わったと言わせるほどのサンドロ演じるマッテオ・ガドラの短期間での成長ぶりも見事。
受け入れるイタリアも、難民問題には頭を悩ませていると思うけれど・・・
密航者に対する措置では18歳がネックになっていることや、難民だけに留まらず施設では売春やドラッグ常習者たちの収容にと、いろいろな社会問題が山積であることに唸らされる・・・。

そんな難しい問題を描いたこの作品、ラストは当然ハッピーエンドとは行かないけれど、
サンドロのアリーナをいたわる成長した13歳の横顔は、ラストに何とも心を温かくさせてくれる。

自国では生活できない貧しい人々、そんな人々の世界規模での問題を、今すぐに解決することは難しいけれど、苦しむ人々を国境を越えて屈託なく理解できる13歳という年齢のサンドロのような子供たちに託されているのかもしれない・・・そんなことも思わされた作品だった・・。


13sainonatu-2.jpgところで、くどいようですがこのイケ面父ちゃん役のアレッシオ・ボーニ。わーい(嬉しい顔)
『輝ける青春』でも出演しているようですね〜exclamation&question
この作品は、強いおススメを受けて非常に観たかった作品なれど、6時間の上映時間の短期上映作品ってことで見逃しちゃってます・・・。(泣)
もうレンタルDVD化しているけれど、近場のレンタル屋には置いてないのよね〜。
ってことで「もう買うしかないっ!」と注文致しましたですパンチ(~_~;)


posted by ラクサナ at 21:38 | Comment(4) | TrackBack(3) | 2006年 7月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
ひょえっ! 買ってしまわれましたか!!『輝ける青春』って、そっちの話題が先かよ〜ごめんなさいっ( ̄ロ ̄lll) うう、お貸ししようと思いつつ・・あまりに大事にし過ぎで日が経ってしまいましたお許しを・・涙。
「13歳〜」もご覧になれて良かったです〜 これも単館系ゆえ非常に限られた地域の方しか観て頂けないのが残念で。。。
この舞台となっている北イタリアのブレシャは たぶんミラノからヴェネツィアに行く途中の高速道路から見えた工業地帯がそうなんじゃないかな〜と勝手に思っております。
甘くないラストに歯がゆい思いでしたが、サンドロ君はこの経験を糧にどんな大人になっていくのか楽しみだなどと、親心に思っちゃいますよね〜 
Posted by マダムS at 2006年07月24日 20:23
[Em150]マダムSさん
うひょ!そうなんです〜『輝ける青春』!
いや〜レンタルも一週間になってからしようとは思っていたんですが、いよいよ欲しくなっちゃいました。^^
コチラの舞台となる工業都市もチェックされていらしたんですね〜!
現在では移民や難民の問題も切実ではありながら、普通の生活をしていたら、やはり対岸の火事ですよね。
サンドロ君のような時期の子供たちが、何かを変えていく世代になっていけるといいですよね。そんな思いを改めて教えてくれた作品でもありました。
Posted by ラクサナ at 2006年07月24日 23:56
暑中お見舞い申し上げまする。
これは7月に観た大量の新作映画の中で一番よかった作品ですー。

>苦しむ人々を国境を越えて屈託なく理解できる13歳という年齢のサンドロのような子供たちに託されているのかもしれない・・

そうなんです。そんなところに微かな希望が見えて、えらく心に沁みました。

ラクサナさんはアレッシオ・ボーニのようなややバターな色男がお好みなんですねー。
Posted by かえる at 2006年08月06日 12:13
[Em150]かえるさん
暑中見舞い有難うございます!
暑いですね〜今年も熱帯夜には悩まされそう・・・![Em162]

わぉ〜ややバターな色男!
アレッシオ・ボーニ万歳♪
でも正直、色男なら結構何でも好きというか・・・アッサリめでもイケますよ!(笑;)

私もこの作品、下半期に入って、いきなり沁みちゃいました・・。
かなり社会派な内容なのに、映画としての魅力もタップリなのがかなり良かったです。
本当に・・・突き放したラストでも希望を感じられるものなのだと・・・改めて映画の素晴らしさを教えて貰った気がします。^^
Posted by ラクサナ at 2006年08月06日 18:11
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イタリア映画祭?? 『13歳の夏に僕は生まれた』
Excerpt: 映画祭3日目、私は2日の『私が望む人生』に続く2本目。 既に一般公開も決まっており、東京では渋谷Bunkamuraル・シネマで5月末~上映、全国順次公開予定。 映画祭がプレミア上映になります。
Weblog: Brilliant Days
Tracked: 2006-07-24 20:26

『13歳の夏に僕は生まれた』
Excerpt: 思春期のほろ苦い思いが瑞々しくもリアルに描かれる。 せつなさが心に沁みる味わい深い良作。 北イタリアの小都市ブレシャの父親が小さな会社の社長で裕福な家庭に生まれ育った少年サンドロは、13歳の夏..
Weblog: かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
Tracked: 2006-08-06 12:09

これをセンスというか何というか〜ここはススキノ〜
Excerpt:  ☆スガイシネプレックス札幌劇場前にて〜なんでもありのススキノだな〜☆     夏に怪談やお化けの話はつきものだけど・・・ 中央区南3条西2丁目のカラオケ屋が壁面にこんな絵を描いているらしいの..
Weblog: 聖書に学ぶ神のみことば
Tracked: 2006-08-23 22:39
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