2006年08月09日

トランスアメリカ

TRANSAMERICA.jpg

主演のフェリシティ・ハフマンがトランスジェンダーで、今まさに身体的にも女性になろうとしている男性を名演。
ゴールデングローブ賞受賞式やオスカーノミネートでの彼女が、今作の製作総指揮である夫のウィリアム・H・メイシーと抱き合って喜ぶ姿が非常に印象に残っておりますが・・・・鑑賞してみてこのお二人、残念ながら夫君のウィリアムは出演していないけれど、本当に素晴らしい俳優魂を共有するご夫婦だと納得!トイレ
それほど凄い成りきり演技をしていますね、フェリシティ・ホフマンexclamation


William H. Macy- Felicity Huffman.jpgFelicity Hoffman.jpg


トランスセクシャルで、現在はLAで独り女性として慎ましく暮らすブリー(フェリシティ・ハフマン)。
昼はレンストランの賄い、夜は電話によるセールスを仕事として貯めたお金で、肉体的にも完璧に女性となる最後の手術を目前にしていたのだが・・・
そんな彼女にNYの拘置所から17歳のトビー(ケヴィン・ゼガーズ)という息子の身元引き受けの知らせが入る。
ブリーはかつて、スタンリーという本名の男性であった若い頃、生涯ただ一度の女性との関係でできた子供がいたことを知る。
そのことにより“現に子がいないこと”をたてまえとする性の変更事項に支障をきたしこともあり、ブリーは渋々トビーの身元引受人になるべくNYへ向かうのだが・・・・。



ストーリーとしては、自分の身の上を隠し、主人公が初めて知った息子の存在に戸惑いながらも、家庭の愛を知らずに育ったその息子とアメリカ横断の旅に出て家族愛を確認するロードムービー。
それは目新しくもない展開だけれど、ちょっとしたユーモアも含めて重すぎず、とても真摯な作品になっているのが素晴らしいと思う。ぴかぴか(新しい)

最初何故こんな役を女優であるフェリシティが演じるのか疑問に思ったけれど、決して奇をてらった描き方をされていない主人公を彼女が演じることによって、私たちと同じように堅実に普通の仕事をして生活しているトランスジェンダーの人たちの抱える問題が、これまでのトランスセクシャルを描いた作品と違って、とても身近に感じられるのがいい。

自分らしく生きたいという願望の影には、自らの過去があリ、どうしても突き放すことができない家族との愛情の問題がある。そういうのって、やはり誰もが抱える問題でもありますよね。
幼い頃から義父に虐待され、麻薬依存や男娼をして、やはり社会からはみ出して生きてきた息子のトビーを演じるケヴィン・セガーズも、なかなか魅力的な演技で・・・
そんな彼だからこそ、旅の間に親とは知らずともそれまでに味わったことのないブリーとの関わりで、勘違いな愛情に走り、ブリーを困惑させるシーンも楽しい。
そして旅の途中で出会う、ネイティブなカウボーイを演じるグレアム・グリーンとの一時の交流。
「どんな女性にも秘密はある。自分だって完璧ではない」の言葉に心救われる。
ブリーの実家での家族たちとの顛末も、ちょっぴり切なくて可笑しい。
そんなブリーとトビーとの関係が、いつ露わになるのか?っというのもハラハラの展開だったけれど・・・
あの男性だった頃のブリーの写真もフェリシティなんでしょうか・・・誰なんでしょうね〜?
何だかプリンスみたいに見えましたけど・・・。(笑;)

TRANSAMERICA|??.jpgTRANSAMERICA-3.jpgTRANSAMERICA-1.jpg


それにしても、これ程までに変われるものなんですね〜女優ってexclamation×2がく〜(落胆した顔)

っと思う一方、やはり難しいですね〜この役どころ。
これ以上ないくらいの演技と作りで“ヒロインの男性”を演じるフェリシティだけれど・・・
観ているうちに段々どうしても天性の女性にしか見えない気がするのも正直な感想。
それがまた、自分の信念と目指すところに一直線で、か細くとも妥協しない強さを感じさせる“ヒロイン”を作り上げているのが素晴らしいんですけど。^^
posted by ラクサナ at 02:01 | Comment(7) | TrackBack(4) | 2006年 8月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
もう立秋過ぎたんですよね〜残暑お見舞い申し上げます!ご挨拶遅れちゃって。。
トラコメ有難うございましたー
今思えば、仰るとおり、まったくのゴッツイ男ではなくて、”彼女”が演じたことで違和感がちょっと薄らいだ気もしますよね。 それでも熱演でしたよね〜手術後に体が急に丸くなったように見えたのも唸りました。 息子ちゃんも苦労してきただけに最後は本当に安心しましたよ。出来ればあのグレアム・グリーンとの関係も続いて、彼女も幸せになって欲しいと思うのは欲張りでしょうかねーー
Posted by マダムS at 2006年08月12日 20:00
残暑お見舞いもうしあげます!
すっかりご無沙汰していました。
私は毎日暑い日が続くのと雑用に追われて、うろうろしている毎日でした。

この映画って、本当に見て良かったで〜す!
ユーモアにはちょっぴり笑い、またすーすーと涙も流れて、このような作り方につい引き込まれて、
身近に感じられましたねっ!
一重にフェリシティの演技力にもよるところ大ですが・・・。
彼らがありのままを受け入れることはとても難しいことだけど、
そうすることによって、先に歩むことが出来る・・・と言うことを感動を持ってみることが出来ましたねぇ〜。
Posted by 紫の上 at 2006年08月15日 18:19
[Em49]マダムSさん
残暑お見舞い申し上げます。
コチラこそ、先日はもう立秋過ぎてるのに、暑中見舞いなどと・・暑さにバテテ、相変わらずのマヌケぶりを発揮していますが、マダムはお変わりないですか?(^^;

この作品、期待通りのフェリシティの細やかな演技に、シミジミと唸らされるシーンの連続でしたね〜。
そうそう、グレアム・グリーン素敵でしたね。
ネイティブで、人間の本質や前世を重んじる彼のことですから、きっとブリーとの関係も再会の上、うまく行って欲しいと・・・私も願ってやみませんです。
彼と一緒のブリーが、又一段と素敵で、素直な女性に見えましたよね〜!

[Em49]紫の上さん
残暑見舞い有難うございます!
体温を超える体感温度に唸りながらも、もうお盆も過ぎて・・・またまた残暑がこたえる今日この頃ですが、お元気でいらっしゃいますか?

一時の涼を求めて、こういった癒される作品は良いですね〜。
私も、ユーモアだけに頼りすぎず、シミジミとした感動を与えてくれる良作だと思いました。
自由に思いのままに生きることの難しさも感じますが、ヒロインであるブリーの生きる姿勢の確かさが、周囲の人たちをも変えていく力になっているのだと思います。

>先に歩むことが出来る・・・と言うことを感動を持って・・・
私も本当にそんな気持ちを見終わって感じました。次はあの息子ちゃんが、人生を頑張る番ですよね!^^


Posted by ラクサナ at 2006年08月16日 11:21
こんばんや。
私ったら、そういうのに疎いもので、彼女がウィリアム・H・メイシーの奥様だと初めて知りましたー。
授賞式の時は夫婦で抱き合って喜んでいたのですねー。
ホントにステキな俳優魂を分かち合える夫婦なんですね。
フェリシティって、『マグノリア』でどんな役でした?

そうそう、グレアム・グリーンの言葉もとってもよかったですね♪
Posted by かえる at 2006年08月21日 22:39
[Em49]かえるさん
おはようございます[Em1]

私もフェリシティがウィリアム・H・メイシーの奥さんだったとは、GG賞の授賞式で初めて知りましたよ。
なんか素敵なご夫婦ですよね。
この作品の奥様のお姿は、普通のご主人だったら見たくないかも・・(笑;)

『マグノリア』のフェリシティは、あのクイズ番組でお漏らししちゃう坊やに“時間ないから我慢しなさい”とか言っちゃう、TV局のスタッフ役では無かったでしょうか?(うろ覚え・・・)
フェリシティはTVドラマの『デスパレード・・』と今作でブレイクしましたが、何となくフランシス・マクドーマンドのような味のある女優さんになっていくような気がします。
Posted by ラクサナ at 2006年08月22日 09:36
フェリシティ・ハフマンのユニセックスなスッピン顔がこの役によく合ってるなと思いましたね。
お化粧した顔ではちょっと口紅の形が誇張されていたり、動作など急に男っぽく見せたりと工夫してそれこそ男性が女装しているような雰囲気を作っていましたが、先に知っちゃってたせいか女性としか見えなくなっちゃったのは惜しいかな。何も知らずに観にいけばよかったかもでした。

まそんな、見た目のことは横へ置いといてと。
トランスジェンダーを理解している他人と、理解してくれない身内のギャップが辛いでしたが、それでも孫はかわいいって笑いを作ってくれてたり、暗過ぎないトーリーで良かったですよね。
Posted by アンパンまん at 2006年08月22日 23:52
[Em49]アンパンまんさん
私も、その先入観のせいか、鑑賞中はどうしても、あばら骨一本の違いで、(^^;女性にしか見えなかったフェリシティですが、段々とそれこそがこの作品の狙いかとも思えるようになってきました。

この作品を観て、トランスジェンダーが抱える問題の中で、気持ちの上でも、また法律的においても、子どもを中心とした家族の問題が大きなウェイトを占めていることを改めて知った気がします。
自分らしく生きることの難しさは、普通の人間でも同じことなんでしょうけれども・・・。
Posted by ラクサナ at 2006年08月24日 09:11
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