2006年09月06日

ハード キャンディ

HARD CANDY.jpg


出会い系のチャットで知り合った14歳の少女と30代の男が、3週間後に初めてご対面。
念願かなった狼は、赤頭巾ちゃんを部屋に連れ込み、牙をむくはずだったのだが・・・・
牙をむいたのは赤頭巾ちゃんの方だった・・・。



ミュージック・ビデオやCMからのデヴィッド・スレイドの初監督作品。

そのショッキングな内容もさりとて、男の役を『アラモ』『オペラ座の怪人』では、ご清潔なイメージしかなく、TVドラマの『エンジェルス・イン・アメリカ』では、赤裸々なゲイの青年を演じていたパトリック・ウィルソンが演じているということからも、観る前から興味津々のサイコ・スリラー。


殆どが男の部屋、密室での二人の会話で成り立っているこの作品。
14歳の少女を演じるエレン・ペイジの演技には本当に驚愕させられるが、想像していた緊迫感と、ショッキングなシーンは思った程でも無く、不確かな設定やオチに・・・人の善悪やら道徳観念ってものにも疑問がわき、観終わってもアレコレ考えさせられる。

ということで、実はあまり前知識が無い方が、もっと怖く面白く観られたかもねっとも思う作品。


HARD CANDY.jpg
どうやら監督の、この映画のヒントは、日本の女子高生か中学生の“援交とオヤジ狩り”にあるらしいという。何とも・・・ふらふら
(『愛のコリーダ』からもついでに何か頂いておりゃせんかのう? 爆;)

冒頭は男の誘いと少女の同意を促すパソコンのチャットから始まる。
そして、二人が初めて出会うカフェで少女がフォークを入れるケーキのアップ。
これから始まるであろう男と少女の危ない物語を連想させる導入部の描き方も秀逸。
ここで持ち前の好感度を発揮して、多少のスケベ心を感じさせるものの、それ程の悪に見えない男を演じるパトリック・ウィルソンの演技も良い。
そんな中にもチラリと、連続少女殺人鬼の生贄となった少女のポスターが見え隠れ・・・。
男の職業がフォトグラファーで、写真を撮るという名目も定石どおり、少女の好きなゴールド・フラップのMP3化したライブ音源もエサとして使う男。(黒い耳垢が出そうです・・・爆;)
自宅へ少女を招いた時点でも、この男は全く少女に対して無防備。
そして、始まる少女の、なんちゃって狼苛め!(笑;)
いや笑い事ではないです。非常に怖い!
HARD CANDY-2.jpg  HARD CANDY−2.jpg
アップ多様なエレン・ペイジの産毛の生えたような幼い顔が、縛り付けて自由を奪ったパトリック・ウィルソンを、ジワジワと饒舌な“言葉”で、心理的にも肉体的にも締め上げる。
この辺りの全く過去の位置づけが不明な14歳の少女のその年齢にはあるまじき狡猾さ、時折見せる年齢相応の未熟さが交錯するエレン・ペイジと、もう顔中から潤滑液垂れ流し状態のパトリック・ウィルソンの恐怖の表情が、いろんな意味で痛すぎ、怖すぎで、むせ返るように暑苦しいー。
そういえばかなりの異常さを表す少女に対して、パトリック・ウィルソンは終始普通の男の域を出ていなかった気がする。
そんな中で、殆ど二人しか登場しないこの作品に、中盤突然ワンシーンのみ登場する一軒おいた隣人のサンドラー・オーの、普通に胡散臭いおばさんとエレン・ペイジのやり取りが面白い。
きっとこんな、何かを見透かそうとする母親年代のオバサンには弱いんだろうな〜14歳の少女って。(--;
結局ラストに用意された結末があるのだけれど、そこで少女がつぶやく「なんちゃって」!?
何だか胡散臭く、腑に落ちないのですよね〜。

結局、ペドフィリアであり凶悪な犯罪者かもしれない男と、拘り不明なのに、ブチギリの復習を実行する少女。
どちらが狼でどちらが赤頭巾なのか・・・どうにも彼らが同じレベルとしか思えない。
後味がスッキリとは決してしない点も含めて、観るものの判断に委ねられるお話。
エンドロールに流れる、ブロンド・レッドヘッドの美しく哀しげな“エレファント・ウーマン”を聴きながら・・・
曲とは裏腹に、ラストに又浮かび上がるチャットの画面を空想・・。
「今度のゲームは面白かったね」
「また、やろう」
なんちゃって・・・・ゾッとしたふらふら

posted by ラクサナ at 18:08 | Comment(12) | TrackBack(3) | 2006年 9月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
や〜ん、これってパトリック・ウィルソンだったのぉ〜!?
それを早く言っておくれ・・(笑;)
私のジャンルじゃないと思ってスルーしておりました! 
でもやっぱり暑苦しそうですね〜爆
Posted by マダムS at 2006年09月08日 07:38
予備知識なしのほうがいいといわれたので、↑は一切読まないでおきますね。

や〜〜ん、これ観たいです!
こういう映画、ちっともやってくれないんだもん…(ぶつぶつ)
まだまだ先の先になりますが、レンタル開始を楽しみにしています。
Posted by Ako at 2006年09月08日 09:02
今、映画館のHPを観てきたら9月30日から上映されることになってました。
わ〜〜〜〜い♪♪
↑ ぶつぶつ言って、ごめんなさい(笑)
こんなことに2回もコメント入れて、ごめんなさい(^^;
Posted by Ako at 2006年09月08日 09:18
2ヶ月前に試写会で鑑賞。
マダム、パトリック・ウィルソンの演技は見ごたえありますわよぉ。すごかったです。

二人の詳しい背景が説明されず、会話から推測する部分も多いので、人によりいろいろ解釈がありそうですよね。
カフェでのセリフも、よく覚えておかないとね。

人間、悪いことはしちゃいけないってことでしょうかね。(笑)
Posted by MACHI at 2006年09月08日 10:47
いや〜〜ん、私も見たい〜!
けど、また三ノ宮まで遠征しなきゃ・・・
しかも公開は10月14日からなんですよ〜!
まだまだ先やん〜(泣)

パトリックは、ケイト・ウィンスレット&ジェニファー・コネリーとの共演作も控えててこちらも楽しみダス(*^_^*)
Posted by nike at 2006年09月08日 21:58
いや〜〜ん、観ちゃったんですねぇ。
MACHIさんに教えてもらって、ちょっと前に観賞しました。
いやぁ、映画の作りとしては感心しましたけど、なんともモヤモヤが残るというのか...。
ヘイリーがなんのためにジェフをあのような目に遭わせたのかが、はっきり描かれていないんですよね。つまり、ドナとどのような関係にあるのかってとこなんですけど。あれは、観る人に想像させるための仕掛けなんでしょうかね。
あと、どうしてもヘイリーのあの饒舌なとことか狡猾さがねぇ...気持ちがイラっとなりましたね。私が、ジェフ側の気分で観てたってことでしょかねぇ。
Posted by アンパンまん at 2006年09月08日 23:46
こんばんはっ。

>善悪やら道徳観念ってものに

私も悶々と考えてしまいました。
物語のテーマが明確にわからないので、どう思考すればいいのかもよくわからずに断片的に・・・・。

>母親年代のオバサンには弱い

おお、これは、なるほど!と思いました。
そういえば、うって変わってボロが出そうになっていましたもんね。
彼女は本当はどんな家庭環境なんでしょかー
Posted by かえる at 2006年09月09日 00:29
[Em161]マダムSさん

や〜〜〜ん、そうなんですよ!
ケヴィン・コスナーの再来かとも言われた面立ちの(ホントか? 笑;)、パトリック・ウィルソン。
いや、でも彼上手いですよね〜こんな汚れ役も見事に体当たりでこなしてましたよ。
問題のショッキングなシーン等も、二人の表情と演技で見せる手法で、確かに戦慄する内容ですが、安っぽいサイコ作品とは一線を画す気がしました。
でもやっぱり暑苦しいかな・・・(汗;)

[Em161]Akoさん

いや〜〜〜ん!
そうですよね、確かソチラ近辺のシネコンでも公開されますよね!

なかなかいろんな意味で見ごたえがありますので、ネタバレ無しで、この赤頭巾の物語の結末を見届けて下さいませ。
またご覧になったら感想お待ちしております。


[Em161]MACHIさん

人間悪い事をしちゃいけない・・・この少女にもソレは当てはまると思いますが・・・
善悪の判断も難しい昨今の事情も反映する作品になるでしょうか。
アンパンまんさんのBBSでMACHIさんのご紹介を読んで以来、絶対観たい作品となりましての鑑賞です。
Thanks a lot!^^
エレン・ペイジの怪演を受け止める、パトリック・ウィルソンの何もかもさらけ出すような演技もまた素晴らしかったですよね。

[Em161]nikeさん

いや〜〜〜ん!
またご近所ではやりませんか!?
DVD鑑賞でも十分に堪能できる内容だとは思いますが・・・
やっぱり早くご覧になりたいですよね?
ステレオフォニックスなんかのプロモを撮ってる監督ってことで、セリフの中の音楽ネタもなかなか面白かったですよ。

[Em161]アンパンまんさん

いや〜〜〜ん、観ちゃいました。(笑)
普通だったら「被害者の妹だったざんす!」ってな復讐劇に落ち着く物語になりそうなんですが、
そうしないところが八丁ミソ(脳みそ使え!)ってな所でしょうか・・・。(笑;)
出会い系のチャットで、犯罪者であるかもしれない、狙いの男を特定できるってのも凄い気がしますよね。
ヘイリーのジェフに対する怒りも、何だかある種の自分に対する気持ちの捌け口みたいで、多分にゲーム感覚があるような気がしましたが・・・14歳の少女のパーワー恐るべしですね。
そりゃもう〜どうしたって男性が観るとジェフの方に感情移入しちゃうと思います。
女の私だって、どちらかと言うと気分はジェフですもの〜怖かったっす!(笑)


[Em161]かえるさん

早速コメント&TBありがとうございます!^^
本当に意味不明な点にも、生理的な恐怖にも悩まされる作品でしたね〜。
自分の性的欲求から少女を相手に犯罪行為に走る男を、またいたぶる少女。
監督が日本のオヤジ狩りに触発されて作った作品だと知り、
人生経験も無い第3者の少女が、その男をまるで虫けらのごとく弄り殺さんとする行為が、
「ただ、見ているとむかっ腹が立つ」・・・みたいな意味不明の青少年の犯罪動機の一端を見る思いもして、
後味は考えるほどに意味不明に悪くなってきましたので、この辺で止めとこうかと!(笑)

オバサンに対する少女の受け答えと、途中携帯で友人と待ち合わせの会話をする辺りは、何だかとっても普通な気がしてしまうのですよね。本当に彼女の家庭環境を知りたいでっす!(笑;)




Posted by ラクサナ at 2006年09月09日 12:06
やっぱり気になったので、見てきました。
最後にヘイリーとドナの関係が明かされるのかと思えばそうでもなく・・・。
わかったような、わかんなかったような・・・ちょっと消化不良なかんじです。

パトリック・ウィルソンってどこかで聞いた名前だと思ったら・・・
『エンジェルス・イン・アメリカ』&「オペラ座の怪人」の彼だったのですね(笑)

結局彼の大切なモノは無事だったのですよね?(笑)
でも恐怖の脂汗かいた甲斐はなかったわけですねぇ(ーー;)
Posted by junko at 2006年09月12日 16:24
[Em161]junkoさん

やっぱり気になっちゃいました!?(^^;
私は、彼のあのラストも?な気がしまして・・・ロープ長すぎた気もしたし、ドスンってな音もしたし・・・。(謎爆;)
しかし、情けない役柄を見事に演じてましたよね〜パトリック・ウィルソン!
『エンジェルス・イン・アメリカ』でも、それまでの彼のイメージからすると、驚きの役柄でしたけど、今回は又凄かったですね。
エレン・ペイジも『X−メン』で、又お会いしなければっと思いますが・・・
彼女の年代でしかできない役柄を、よくその年代で演じきったと思います。
救いは実際の彼女の年齢が、14歳ではなく17歳ぐらいだったことでしょうか・・・。(^^;
Posted by ラクサナ at 2006年09月13日 01:40
ネタバレ!

この少女、サイコな殺人鬼なんじゃないでしょうか。
悪いことしてもしなくても、サイコな奴に出会ったら、身の不運。
Posted by MACHI at 2006年09月13日 20:17
[Em161]MACHIさん

サイコなネタバレ!有難うございます。^^
そうですよね、殺人鬼なのか必殺お仕置き人なのか・・・
とにかく彼女自身のフラストレーションを、コレで解消している気はしますよね。
本当に・・・サイコな奴に逢うのは、映画の中だけにしたいですよね〜。(汗;)
Posted by ラクサナ at 2006年09月15日 16:27
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『ハード キャンディ』
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69.ハードキャンディ
Excerpt: 緊張感溢れる、密室劇のサイコ・スリラー。この作品でハリウッド・デビューとなる、主演のエレン・ペイジが、脱帽モノの演技の巧さ。少女の恐ろしさを十二分に表現していて、鳥肌が何度も立った!
Weblog: レザボアCATs
Tracked: 2006-09-12 09:40

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