2006年12月19日

王の男

Wang-ui namja.JPGこれは文句なく面白かったです。
とにかく冒頭の主人公二人の大道芸、それだけでも凄いexclamationがく〜(落胆した顔)
そんな16世紀初頭の韓国の旅芸人二人の話から、当時の暴君ヨンサングン(燕山君)をめぐる王朝絵巻。
スケールの点ではそれ程の広がりは感じませんが・・・
これが又、3人の人となりが直情的に描かれていて判りやすく、エンタメ性にも富んでいて・・・
宮中での豪華な衣装や小物の数々、創作性豊かな物語と風刺芸の面白さ、本国で大ヒットを記録したのも頷けます。
製作人も新進気鋭の面々だとか・・・韓国の時代物にかける意欲って凄いんだな〜って思います。
そういえば・・・韓国へ行った時、いつもTVでは時代物のドラマをやってましたっけ。

Wang-ui namja-1.jpg時は16世紀初頭、朝鮮時代燕山朝。
地方の旅芸人一座の花形チャンセン(カム・ウソン)と女形のコンギル(イ・ジュンギ)は、鮮やかで迫力ある大道芸で観客を魅了していた。しかし土地の有力者にコンギルが慰み者になるのを見ていられないチャンセンは、コンギルと共に一座を逃げ出し、漢陽の都へ向かう。
都に着いたチャンセンは時の王ヨンサングン(チョン・ジニョン)の怠惰な生活ぶりを耳にし、早速弟分となった芸人を仲間に引き入れ、宮廷を皮肉った芝居を演じて人気を得るが・・・・
噂を聞きつけた王の重臣チョソン(チャン・ハンソン)に捕らえ、王を侮辱した罪で死刑を宣告される。
しかし自らの芸を「王が笑えば侮辱じゃない」と反論するチャンセン。
そして、彼らは命をかけて王の前で芝居を演じることになるのだが・・・・。



冒頭とラストの綱渡りの芸を披露するシーン。

“まさに人生は綱渡りの道化”
Wang-ui namja-5.jpg

暴君として歴史に名を残す王ヨンサングン。
幼い頃に母親を奪われ、聖君と謳われた父の影に囚われ、そんな反動から暴君という狂気を演じ、国を治める王という名に翻弄され、いつまでも幼子のように反抗期を脱することができない悲劇の道化。
そんな王故に、芸人たちに惹かれる様は至極納得できる展開。
そう思うとコンギルに惹かれる王の姿も、同性愛のソレではなく、同じ立場の者という無意識のうちの同調からか・・・
はたまた母親の姿を重ねたものなのか・・・。

また何とか王を正道へ導かんと画策する官僚も、暴君に媚びへつらう官僚たちも・・・図らずも巻き込まれてしまう芸人たちも・・・
彼らもまた国を治める王という名の下に翻弄される悲劇の道化たち。

そんな三者三様の・・・
命綱である扇を捨てるシーンに象徴される明日の命をも知れぬ道化たちが、最期にまた集うラストシーンも圧巻。
ギリシャ神話の時代からあるようなダメ王のコンプレックス物語&芸人という設定を、詩情的に暈すこともなく、面白おかしく、お色気や下ネタも含めながら、その内にある哀しみを描き出すことにストレートに成功している 。
やはり韓国ならではの作品ですよね。
捨てるシーンが無いと言われてますけど、本当に観ていて飽きないし、愛憎劇が描き出す人間ドラマは、勧善懲悪の話ではなく、人の世の悲劇を公平に見つめる目を持っていて、その点も唸らされます。

Wang-ui namja-4.jpg  Wang-ui namja-3.jpg
まぁそれにしても体育会系とは思いますが、あの綱渡りを殆どスタント無しで演じきったカム・ウソンってexclamation&question凄いな、凄いぞっexclamation×2
この俳優は私はお初にお目にかかりましたが、物語をぐいぐい引っ張っていく、野心と反骨精神タップリな男気な演技には本当に驚きと感嘆!
またコンギルを演じるイ・ジュンギは、怪しくも清々しい色気の中で男女を越えた優しさや純粋さを演じて、観る者を魅了させてくれます。
そんな二人に負けず劣らず、暴君でありながらあまりに幼稚で惨めな立場の王ヨンサングン役のチョン・ジニョン も、感情を揺さぶる演技で良かった。


そんな訳で、韓国は今時代劇ブームexclamation&question
本当に韓国では、各TV局が必ず一本は流している時代劇。
日本ではまた『大奥』ですかexclamation&question(笑)
某国営放送の大河ドラマも日本の歴史を描いて、その自国文化に対するプライドの高さが鼻につく気もしないでもない。
比べて韓国の時代劇は自国の伝統文化を伝えながら、登場人物による愛憎劇や人間の心理描写に重点を置き感情移入しやすく、多分にこの作品のように欧州的な感じがするんですが、その辺りがまたこの観るものを魅了する要因なんでしょうね。
ってことで『チャングムの誓い』や『チェオクの剣』も気になっておりますが・・・
なかなか観れないわ〜!わーい(嬉しい顔);(爆;)
posted by ラクサナ at 22:47 | Comment(10) | TrackBack(2) | 2006年 12月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
こんばんわ。
旅芸人に芝居をさせて悪事を暴くのは、「ハムレット」を思い出させる設定ですよね。燕山君がハムレットよりずっとひねくれていて情緒不安定で、芸人たちの放つ一言一言が即「首」の安全に直結するのが、見ていてハラハラものでした。松田優作ばりの美青年、予想より男っぽかったですね。
Posted by Bianca at 2006年12月23日 23:29
[Em27]Biancaさん

宮廷内で演じられる仮面での劇中劇は、父親と母親の違いはあるけれど、毒殺という手法もハムレットを連想させて迫力がありましたね。
コンギルを演じた美青年イ・ジュンギは、女性的というより、純粋さや優しさ、感受性の強い人となりを魅力的に演じていると思いました。
松田優作、懐かしいですね。^^
Posted by ラクサナ at 2006年12月26日 11:36
ごめんなさい!!
松田優作ではなく、息子の方でした。何て名前だっけ?
Posted by Bianca at 2006年12月26日 21:30
[Em27]Biancaさん

あ、やっぱり!?
長男の龍平じゃなくって・・・
次男の翔太の方ですよね?(^^;
Posted by ラクサナ at 2006年12月27日 00:51
ラクサナさん、
次男の翔太は初めて聞きました。美由紀はお母さん、芸能一家なんですね。ところで記事の続きはどうなるんでしょうか?邪魔してしまったかな。
Posted by Bianca at 2006年12月27日 19:47
[Em27]Biancaさん

ご心配おかけしまして!(^^;
観てから随分たちまして、やっと感想アップです。
もう大分記憶のかなた・・!?(笑)

翔太君、ご存知なかったですか。
美由紀さん、かなりのステージママと化しているとか・・・(^^;
ご長男は、御法度以来、私の好みじゃないので、弟君に期待してます。(笑)
Posted by ラクサナ at 2006年12月28日 15:51
こんばんは〜♪
大掃除ははかどってますかー?歌いながら?(爆)
『チャングム』ですが、私も最初50話くらいあるって聞いて恐れおののいき・・たま〜にチラチラ観るも、ちゃんと観た事ないんですが・・。
年末の「総集編」29日と30日で5時間ならなんとか観れそうかと・・頑張りたいと思ってますわん♪ ↓ http://www3.nhk.or.jp/kaigai/gtv/chikai/popup07/index.html
松田翔太君の「長い散歩」も観てきました。ご長男は私も苦手・・(^^;)
Posted by マダムS at 2006年12月28日 17:55
[Em27]マダムSさん

マダム〜歌ってますよ♪
フロイデ、シェネール、ゲッターフンケン・・・♪(謎爆;)^^b

おっと、チャングムの総集編一挙5時間!?
これはしっかり又ハードに溜め込まないようにしなくては!
情報有難うございます。

あ、『長い散歩』ご覧になったんですね。
モントリオールでグランプリ受賞作だとか、奥田瑛二監督がコチラの出身で、名古屋近郊が舞台の作品でもあり、気になっております。
早速感想拝見しに伺います〜!^^
Posted by ラクサナ at 2006年12月28日 22:31
今年始め韓国に行った時観てきました!
映像だけで、理解するには限界がありましたが、それでも引きつけるには充分な映像でした。
ヨンサングンの苦悩が、字幕なしではわからなかったので、いま、ラクサナさんの説明を読んで、やっぱり見直さなくっちゃ!と思ってるところです。
カム・ウソン・・体育会系ッポイですが、この人、ソウル大学出身の知性派というキャッチフレーズだったんですよね!だから、余計凄いと思いました。
イ・ジュンギにしても、「今」を持ってるじゃないですか!・・時代劇の中に「今」を持っていながら溶け込んでる・・そこがいいんですよね。
話変りますが、「硫黄島からの手紙」の
二宮くんにしても加瀬亮にしても、あの時代
のなかに「今」を感じさせてくれたじゃないですか、あの二人も凄いと思いました!
Posted by キウイ at 2006年12月30日 01:01
[Em27]キウイさん

わぁ〜韓国でご覧になってたんですね!
映像だけでもこの作品なら十分楽しめると思いますが、やはり味のある台詞の数々も見逃せないかな?
私的にカム・ウソンの綱渡りをしながらの口上、コンギルの代わりに濡れ衣を着て投獄されたチャンセンが看守に自分の子供の頃の話をするところなんかは出色物でしたので、ぜひまたご覧になって確かめて頂きたいです。
しかしカム・ウソン、インテリなんですね〜!
綱渡りシーンも凄いですが、彼は演出にも随分関与しているみたいですね。

>時代劇の中に「今」を持っていながら溶け込んでる・・そこがいいんですよね。

本当にそうですね〜!
やはり「今」を感じること、どんな時代の話でも大切なことなんですね。
それが無いと、ただの昔話で終わってしまう・・。
それを演じるのも、ただ若さだけではなく、天性の魅力と演技力、そして並々ならぬ努力がいることなんだと、「硫黄島・・」も含めて、この両作品でも感じることができますよね。


Posted by ラクサナ at 2006年12月31日 10:34
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Tracked: 2006-12-28 17:45

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