2007年01月20日

孔雀 我が家の風景

kujyaku.jpg


オンライン試写会にて鑑賞。

文化大革命が終わった年から始まる中国のある村での家族の物語。
監督は、この作品がお初ながら、世界的な撮影監督としてキャリアがあるチャンウェイ。
チェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』ではアカデミー賞撮影賞にノミネート。
チャン・イーモウ、チェン・カイコー、ジャン・ウェンなど中国を代表する監督の他、ロバート・アルトマン監督の『相続人』でも撮影を担当している。
本作は第55回ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞し、世界中の賞賛を浴びたそうで、公開されたら是非と思っていた矢先のネット試写会。
ラッキーだったけど、劇場で観たかったかも。

コレはいいですね〜イイだけじゃなく面白いexclamation
シミジミとした中に、ちょいとした4コマ漫画的なブラックな笑いもあるのです。
何より、中国の年代史を扱った作品で、こんな庶民の暮らしに、共感を覚えるものがある、愛おしい作品です。ぴかぴか(新しい)

12年続いた文化大革命が終わった1977年。
ある村に住む家族。彼らは部屋の前の通路でいつもの食卓を囲んでいた。
仕事にも身が入らず、自由にフラフラと思いつきで行動する長女ウェイホン(チャン・チンチュー)、知的障害を煩う長男のウェイクオ、兄の世話をやきながらも、ハンディキャップのある兄を疎ましく思っている次男のウェイチャン、ともすれば障害者である兄を特別視して甘やかす母、生真面目で昔かたぎな父。
そんなある日ウェイホンは空から降りてきた落下傘部隊の青年将校に出会い、淡い恋心を抱く。
彼女は彼と同じ部隊に入る為、こっそり入隊試験を受けるのだが・・・・。



kujyaku-2.jpgこの物語に共感する部分は、田舎町の純粋で貧しいが美しく健気に生きている家族といった物とは、ちょっと違う。
明らかに裕福とは言えない暮らしの中で、3人の息子や娘はそれぞれの憤懣を抱え、懸命に何かに没頭するわけでもなく、ただ現状を抜け出したい思いだけで、家族という枠の中で日々を送っている。
そんな彼らは様々な出来事を繰り返しても、決して何一つウマく事が運ぶ訳でもなく・・・
それでも時はたち大人になり、それぞれの生き方をしていく・・・
それはもう切なくもあり、残酷でもあり・・・それが相反してブラックな笑いを誘ったり・・・がく〜(落胆した顔)
総じて当たり前と言えば当たり前の貧乏ったらしい、普通の家族の姿を淡々と追った話なんです。(笑;)
失恋から拒食症にまでなる長女に、障害児とはいえ自己主張も強い兄、真面目だった弟も「こんなことで!」という出来事で家を出て行くことに・・・・
障害者に対するイジメのシーンもあれば、ドキッとするような未遂事件もあり、時の流れは思いがけない展開も家族に与え・・・それらの全てが、家族の歴史になっていく。
幾度と無く繰り返される食卓のシーンで流れる次男の台詞が、そんな家族のかけがえのない一瞬を愛おしむようで、何だか胸にくるんですよね、シンミリと・・・。もうやだ〜(悲しい顔)

長女が失恋の後の落下傘で飛翔ならずのシーン。
ラストに、家族の前ではなかなか羽を広げない孔雀。
人生はままならず・・・。ふらふら

kujyaku-3.jpg

撮影監督として大作を撮り続けてきた監督が、こういった地味ながら心に残るシーンの積み重ねを軸にした作品を作ったことに、ちょっとした驚きと、やはり大きな満足を感じますね。
第二のチャン・ツィイーと呼ばれているらしい長女を演じるチャン・チンチュー、『初恋のきた道』のチャン・ツィイーとは違って、美人ではあるけれど、ふくれっ面が似合うクールビューティーとでもいいましょうか、次回作が楽しみです。
posted by ラクサナ at 23:02 | Comment(3) | TrackBack(0) | 2007年 1月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
「孔雀」って、昔クリストファー・ドイル
で、同名の映画がありましたよね?!
観てないけど・・
でもこちらは、家族の物語で興味深いですね。

撮影監督ってのちに映画作る人よくいますね!
チャン・イーモーもそうですよね。
「スピード」のヤン・デ・ボンも確か
「氷の微笑」などの撮影監督でしたよね。
Posted by キウイ at 2007年01月22日 23:44
この画像だけでムクムクと見る気がわいてきました!でも、お下げで清楚な服装ですが、彼女は実はウンと年上なのではないでしょうか?やつれた目元の感じからそういう気が・・・
Posted by Bianca at 2007年01月23日 18:31
[Em50]キウイさん

クリストファー・ドイルの『孔雀』って、浅野忠信の出てるのですよね?
私も未見です。
撮影監督出身って、もんもんと映画を撮りながら、自分だったら・・・っと思うこともあるのでしょうね。
チャンウェイの撮った作品でというと、私は『赤いコーリャン』のシーンがまず浮かぶんですけど・・・
この『孔雀』は、地味ながらやはり棄てるシーンが無い気がしますよ。
130分ちょっとという長丁場ですが、なかなか気に入りました。

[Em50]Biancaさん

お〜鋭いですね!^^
彼女、私はそんなに気になりませんでしたが、調べてみると26歳ぐらいだそうです。
物語は少女時代から10〜20年後までの話なんで、ちょうどいい年齢なのかもしれません。
Posted by ラクサナ at 2007年01月24日 01:11
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