2007年03月13日

ラストキング・オブ・スコットランド

Last King of Scotland.JPG
フォレスト・ウィッテカーのアカデミー主演男優賞受賞作品ですね。ぴかぴか(新しい)
悪名高い実在のウガンダ大統領インディ・アミンを演じるウィッテカー渾身の演技。

監督が『ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実』『運命を分けたザイル』の、ドキュメンタリー物、実話物に優れたケヴィン・マクドナルドであることも、観る前から何だか戦慄を覚えました。むかっ(怒り)

アミンを演じるウィッテカーは勿論、青年医師を演じるジェームズ・マカヴォイの演技も素晴らしく・・・
いろいろな意味で見応えがあり。
後半からサスペンス色は強くなるし、それに比例する恐怖感も強まり・・・疲れちゃうほどの作品でした。どんっ(衝撃)


スコットランドで医大を卒業し学位を取り、同じく医師である父に祝福されるニコラス・ギャリガン(ジェームズ・マカヴォイ)だが・・・その歓びの中で、現実から飛び出したい若者らしい冒険心にかられ、目をつぶり地球儀を回す。
最初に指差したのはカナダだったが、それをスルーして次に指したウガンダに向かう。
そして彼はウガンダのムガンボ村にある診療所で働くが、ウガンダはちょうどその時期、軍事クーデターによりイディ・アミンが新大統領となった直後であった。
ある日村にやってきたアミン大統領の演説を聞き、そのカリスマ性に歓喜する村人たちとニコラス。
偶然にもその演説の帰り道、事故で片手を負傷したアミンの手当てをすることになったニコラスは、アミンに気に入られ、主治医になるよう大統領の自邸に招かれる。
やがてアミンは、ニコラスに主治医以上の信頼を寄せ、ニコラスも又それに応えようとするのだが・・・・。


Last King of Scotland-1.JPG

最初にニコラスが働くムガンボ村の診療所で出会う医師の妻が彼に対して言う言葉。
ニコラスがアミンに気に入られるきっかけとなったある出来事。
アミンが最後にニコラスに言う言葉。
大統領の元主治医が、最後にニコラスに投げかける言葉。


それらがこの作品の全てを表しているようで見事、何とも言えない思いにとらわれる。

この作品、実際にアミンと交流があった複数の西洋人をモデルに創り上げたニコラスという青年医師の目を通して、実在したアミンという人間を描くというフィクションの物語なのですが・・・
ニコラスという若者の描き方が、ある意味非常にステレオタイプな当節の若者のおバカ感があってふらふら、ともすると他国でボケっとしているとエライ目に遭うという『ブロークダウン・パレス』みたいなサスペンスドラマに思える節もあり、(実際、中盤からのサスペンス色はかなりの物)そんな若者を演じるジェームズ・マカヴォイが主演のサスペンスで終わってしまいそうなところを、それに歯止めをかけているのがアミンを演じるフォレスト・ウィッテカーの名(怪?)演技ということになりましょうか。
ジェームズ・マカヴォイはそんなニコラスを非常に旨く演じているのですが、途中で「こんな奴はどうなってもそりゃ仕方ないや!」ってな気にもなるんですよね。ふらふら

「イギリス人か?」っと問うアミンにスコットランドだと応えるニコラス。
英国の植民地だったウガンダのアミンは同朋意識もあってか、スコットランド好き。ニコラスも又然りなのかもしれないが、この最初に彼がアミンに気に入られるきっかけとなった出来事で、もう先の運命が決まってしまう感じ。どんっ(衝撃)
西欧の合理的な一面や、先進国の若者の驕り・・・それは、ニコラスの運命だけではなく、アミンの運命をも変えてしまうことに一役かってしまったのかもしれない。

Last King of Scotland-3.JPG

実際はアミン大統領にあまり似ていないように思える気がするフォレスト・ウィッテカーだけど、悪名高いアミン大統領の狂気の部分やそのカリスマ性を演じ、「人食い」と呼ばれながらも実は殆ど菜食中心だったというアミンの神経質な繊細さや、不安定な政情での指導者の苦悩、都合が悪くなると、まるで子供が玩具を壊すように虐殺をして醜態を晒す多面的な実像を圧倒的な存在感で演じていたと思います。
彼の目って左右の大きさがちょっと違うんですが、それがまた別々に違う物を見、語っているようで、実に恐いと言うか凄いと言うか・・・やっぱ鶴瓶師匠とは違うな。がく〜(落胆した顔)(汗;)

最初にムガンボの診療所で出逢う、医師の妻サラが、ちょっと『Xファイル』のスカリーに似てるなっと思っていたら、エンドクレジット見てビックリexclamation
かなりお痩せになって(羨ましい)、年齢もいっちゃった感があるけれど・・・本当にジリアン・アンダーソンだったexclamation×2(爆)
ニコラスに対してなかなか思慮深い言葉を告げる彼女が、この若者は人妻好き・・・の伏線だけではなく、後半も絡んでくるのかと思ったら、それは無くてちょっと残念。
そして『ナルニア国物語』の魅力的なフォーンだったマカヴォイ君の、こんな人間臭い役柄を見られるのも一興でした。

posted by ラクサナ at 17:22 | Comment(6) | TrackBack(0) | 2007年 3月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
原作「スコットランドの黒い王様」を読んで見ましたが、今一つでした。
映画のこのスチールの方が喚起力がありました。
でも、疲れるの〜?見に行くべきか否か、迷いますね。
Posted by Bianca at 2007年03月14日 20:49
[Em63]Biancaさん

原作は未読ですが、映画は面白かったですよ。
中盤からかなりサスペンス色が強くなって、引き込まれる分疲れますが・・。(^^;
この監督のお得意と言っては何ですが・・・エンテベ空港ハイジャック事件と絡ませてくる辺りも、やるなぁと言う感じ。原作もそうでしたか?
Posted by ラクサナ at 2007年03月15日 01:10
ひゃっ 鶴瓶師匠ぢゃなかったですか!(汗;) 
スカリーもっ!?出ていたの?
それからそれから、あぁ・・オスカーの時共演者として映ってたあの男の子、どこかで見た顔だな〜〜と思ってたんですよね!「ナルニア」のロバ耳つけてたあの子ですね!?あ〜すっきりした。
それにしてもやはり見応えありそうですね〜
今、ちょっとおフランスモードですが、それが落ち着いたら観に行きたいと思います。
Posted by マダムS at 2007年03月16日 11:59
[Em63]マダムSさん

おフランス映画祭、お疲れ様です!
早速、開幕とチケット争奪戦の記事を読ませて頂きました。
ひょぇ〜〜〜ロマン・デュリスぅ〜!
それは期待した分、疲れますよね。(^^;
今後もお疲れなきよう頑張ってください!

そうこの作品、ウィッテカーさんの見事なアミン像を鑑賞する他にも、いろいろと見応えアリ!
落ち着かれてのマダムの感想をお待ちしております。^人^
Posted by ラクサナ at 2007年03月16日 19:01
>こんな奴はどうなってもそりゃ仕方ないや!」

お前はナンパしにアフリカに来たのかよという、ニコラス坊やでした。
Posted by MACHI at 2007年03月17日 17:37
[Em63]MACHIさん

最初、医師の妻@スカリーに
「アナタはこの仕事に向いていない」と言われた時に、
帰りゃ〜良かったのに・・・っと思うニコラス坊やでしたね〜全く。(^^;ゞ
Posted by ラクサナ at 2007年03月19日 09:43
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

絵文字
この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。