2007年04月06日

モーツァルトとクジラ

mozart_and_the_whale.JPG
ジョシュ・ハートネットとラダ・ミッチェルが実話ベースで紡ぐ、障害を持った2人のラブストーリー。ムード

韓国映画の『オアシス』のように重度の知的障害を伴った作品とは違い、アスペルガー症候群という知的障害を伴わない発達障害を持った2人の物語『モーツァルトとクジラ』の場合は、本当に普通の男女のラブストーリーそのもので、心や性格の行き違いから一転二転する恋の行方は、誰しも共感が持てるような内容。

ただし、それゆえの苦しみや葛藤は当然あるわけで、演じるジョシュ・ハートネットやラダ・ミッチェルもなかなか難しい役どころだったと思います。。。



アスペルガー症候群という障害を抱えるドナルド(ジョシュ・ハートネット)は、数字に強い興味と才能を持ち、タクシーの運転手の仕事も、そのよそ事に熱中して事故ってしまい上手くいかない。それでも彼は同じような障害を持つ仲間を集め、社会に適応できるよう、定期的に集会を開き彼らの中心となって真面目に活動していた。
ある日、その集会に新たなメンバーとしてイザベラ(ラダ・ミッチェル)が参加してくる。
美容院で働くイザベラは、美術の才能を持ち、ドナルドとは正反対の自由奔放な性格。
そんなイザベラに出会い、すぐに興味を抱いたドナルドだが、それはイザベラも同じだった。


自閉症と言われる障害は、本当に人それぞれなんでしょうね。
アスペルガー症候群というのは、自分の性格から来る行動や衝動を抑えることができないこと。
この作品を観ていると、それが見た目に現れている人もいれば、殆ど分からない人もいる・・。
集会に参加する主人公たちの周囲の彼らも三者三様の症状で、そんな中でも自立して暮らしている人達。

mozart_and_the_whale]2.jpgジョシュ・ハートネットは、時折落ち着きのない素振りで演じているが、ラダ・ミッチェルは自由奔放というだけで殆ど見た目は分からない。
部屋を勝手に片付けられると我慢できない、社会に適応する為に媚をうって枠にはめられたくないという気持ちも良く判る。
性格が極端に違う男女が一緒に暮らすことでの行き違いなんか、大変なのはアタリマエ。
ただ、それを抑えることができない者同士の恋愛となると、やはり大変なのだろう。
そして、アスペルガーという枠にはめられた人達の男女の出逢いって、想像以上に大変なんだろうな〜っと思う。
喧嘩別れした彼女と再会するシーンで、ドナルドがイザベラに言う・・・
「君しかいない・・君もそうだろ?」という台詞が、普通なら素敵な恋の言葉であろうはずなのに、少し違う意味合いも感じられて切なく思ってしまう。
全く普通の恋愛物を観ているのと違いがないこの作品では、彼らの悩みは手探り状態だけれど、いろいろと考えさせられるものはあった。
しかし・・・・
正直言えば、恋愛物としては魅力に少し乏しい気がした。
モーツァルトとクジラのタイトル通りの2人のシーンは微笑ましくて素敵なんだけど。
心に正直に生きる2人が惹かれあう部分、それさえも全くアタリマエの演出で・・・・
何か物足りない気がするのは、やはり余計な期待を抱いてしまっているコチラがいけないんだろうか?

mozart_and_the_whale-1.jpg実際に映画のモデルとなったジェリー・ニューポート氏は45歳で伴侶となるメアリーさんと出逢ったとのこと。
実際の彼らは、一緒に暮らすようになってからも何年も大変な時期があって、離婚再婚を繰り返したとか。
そんな壮絶な出逢いと生活の2人の半生を、ただピュアなラブストーリーとしてだけ描かれたものでは、やはり大きな感動は呼ばないのだろうか・・・・難しい!

posted by ラクサナ at 17:36 | Comment(4) | TrackBack(0) | 2007年 3月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
やはり、ご覧になりましたねっ。
私は見逃してしまって、レンタル待ちです(^^;
アスペルガーという言葉は初めて聞いたけど、自閉症とは違うのかしら?
自閉症を主人公にした「レイマン」は大好きな作品でしたが・・・。
Posted by 紫の上 at 2007年04月17日 23:20
[Em155]紫の上さん

はい〜『ラッキーナンバー7』で、紫の上さんにご紹介頂いた作品ですよね。^^
アスペルガー、自閉症の一つですよね。
知的障害を伴わない・・・一般人より特殊な能力はずっと上を行く人達になるのでしょうか。
それ故に社会と適応できないことが、ずっと苦悩となってのしかかるような気がします。
この作品も脚本は『レインマン』と一緒のロナルド・バスですよね。
レインマンのダスティン・ホフマン演じるチャーリーは、このジョシュ君よりも、もうちょっと重度な気がしましたが・・・
自閉症と言っても、人それぞれ性格が違うように10人いれば10人違うんじゃないかと思います。
だいたい“自閉症”という言葉がしっくりこない気がして仕方ないんですが、もうこの作品を観ていると、それぞれの個性、性格の延長線上にあるものが社会に適応できるかできないかの違いだけのような気がします。
Posted by ラクサナ at 2007年04月18日 16:19
こんにちはー。
私もこれはちょっと物足りなかったんです。
面白さや共感度がどうのというよりは、作り手の題材に対する姿勢に疑問を感じたというか何というか・・・。
モデルのニューポート氏に敬意を払って、原作に忠実なストーリーで映画化してほしかった気がします。
45歳の出会いの方がステキだと思うのでしたー。
Posted by かえる at 2007年04月19日 17:59
[Em155]かえるさん

トラコメ有難うございます!

やはりかえるさんも、そう思われましたか・・・様々な症状をかかえる人たちが、主人公2人以外にも登場して、作られた意義は感じる作品でしたが、本当の2人の世界を描き出すとなると、やはり難しいですよね。

原作は未読ですが、同じ小鳥を何時間も2人で眺めて微笑みあったことなどもあったとされていますので、そんなシーンや、私も45歳の出会いを観たかったです。
Posted by ラクサナ at 2007年04月20日 10:11
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