2007年04月06日

グアンタナモ、僕達が見た真実

GUANTANAMO.JPG

ごく普通の生活を送っていたパキスタン系イギリス人の青年たちが、対テロ戦争に巻き込まれ、2年にも及ぶグアンタナモの収容所生活を強いられ、不当な尋問や扱いを受けた事件。
映画化したのは『イン・ディス・ワールド』等のマイケル・ウィンターボトム監督と、ウィンターボトム作品で編集やセカンドユニットの監督、ミュージック・クリップ等を手がけてきたマット・ホワイトクロス。

実際に事件に遭った青年たちのインタヴュー映像が入り、ドキュメンタリーを観ているような、冒頭から淡々と描き出される青年たちの行方に、その過酷さに絶句!むかっ(怒り)

憤懣やるかたない事実ではあるけれど、そんな中で力強く生きる彼らの勇気と、その姿勢や友情に、やはりウィンターボトムの一筋の希望の光を感じる。ぴかぴか(新しい)



イギリスのバーミンガムに住むパキスタン系イギリス人のアシフ・イクバル19歳は結婚式を挙げるため、同じくイギリスに住む友人のローヘル、シャフィク、ムニールを誘い、父親の待つ故郷パキスタンへ向かった。
そこで隣国アフガニスタンの状態を知り、実情を見て何か自分たちにできることはないかと国境を越える。
その直後、米軍の空爆が始まり、混乱の中戦闘に巻き込まれ、ムニールは行方不明となり、3人はタリバンと間違えられ捕虜となる。そして彼らはテロリストの容疑者として米軍により、キューバのグアンタナモ基地へと移送されるのだが、無実を主張する彼らの言い分は全く通らず、不当な尋問は2年以上にも及ぶのだった・・。


GUANTANAMO-3.JPG

本当に再現フィルムを観るように冒頭から淡々と進んでいく映像。
イギリスで暮らす彼らの甘い考えからくる“自己責任”という思いも、観る前から感じていたことだけれど・・・
故郷であるパキスタンの町を楽しそうに歩き、立ち寄ったモスクでアフガニスタンでのボランティアの話を聞き、隣国の現状に興味を抱く彼らの行動は、凄く自然なものに感じてしまう。

アフガニスタンへ着いた矢先のアメリカ軍の空爆に不安がよぎり、即座にパキスタンへ戻りたいという思いにかられるが、アシフが病気になり足止めをくう。
そして、アシフの病気が回復すると、何故か彼らの思いとは違うタリバン最後の拠点へと連れて行かれ・・・
その後の展開は、もう目まぐるしく・・・がく〜(落胆した顔)
最初のアフガニスタン・シュベルガーン収容所から、グアンタナモへ・・・。ふらふら

GUANTANAMO-2.jpg檻に入れられて、引きずり回される彼らへの扱いは家畜以下。
この辺りの収容所の再現は本当にリアルで、目を覆うばかり・・・。
グアンタナモでのフラッシュが点滅する拷問のシーンは、本当に気分が悪くなるので、私は目を開けていられなかった。ふらふら
こういった映像を最初はコチラも淡々と観ているのだけれど、グアンタナモでのアメリカの愚劣にして非人道的なアホらしくなるような尋問シーンに、挿入されるTV画面でのブッシュの映像に、いよいよハラワタが煮えくり返ってくる。ちっ(怒った顔)
イギリス大使館だと偽り、味方だと偽り、手を変え品を変えて、事実など調べようともせずにテロだと自白させようとする、およそ大国のらしからぬ尋問の数々。そして又、何の手も差し伸べようとしない彼らが住む国の在り方も見えてくる。

戦争という状況下では、日本でも過去においてこういった不当な尋問や拷問はあったはずだけれど・・・
グアンタナモという自国の法律も国際法も適用されない基地で、自国での権利や自由には声高のアメリカが、報復という間違った大儀の前に、差別や自己欺瞞を交え、間違いを正そうともしない。人が人を人として看做さないとは、こういうことだということ。
今この時代に起こっている間違った事実を、ハッキリ見ておかねばいけないということを教えてくれる。


GUANTANAMO-1.jpgインタビュー映像の本人たちと、出演している俳優はよく似ていて、最初は区別がつかなくて困るぐらいでしたが、撮影カメラの存在まで透明化しているような、本当にそんな細部までをリアルに表現した作品。
それゆえに観る物に考えさせることを訴えるインパクトを、たくさん持っている気がします。

彼らが開放されることは、アタリマエのことなんですが・・・
必死に無実を主張し、人間として大事な物を守り、成長していく彼らの姿。
そんな彼らの勇気を描いたことも、この作品素晴らしいと思います。ぴかぴか(新しい)
失った貴重な彼らの2年間がこの作品で、より意義のある物になることを願ってやみません。


posted by ラクサナ at 17:38 | Comment(2) | TrackBack(1) | 2007年 3月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
タリバンと一般人を取り違えるなんて・・(まあ、外見では違いはありませんが)
しかし、よくがんばって釈放されましたね。「グアンタナモ」というひびきは
ラテン音楽のようですけど、ひどいことが行われたのですね。
Posted by Bianca at 2007年04月19日 08:16
[Em150]Biancaさん

前回の「善き人のための・・」で得た、尋問のノウハウは、ここでは全く役に立ちませんよね。
アレは家庭内尋問にのみ使うことにしたいと思います。。。(笑;)

周囲が地雷原で脱走が不可能な、軍法のみの治外法権地帯で、都合のいい尋問や拷問が行われ、アムネスティから告発を受けて、再三にわたるキューバからの返還の要請にもかかわらず未だ米軍基地が存在するグアンタナモ。
ホントに驚く事ばかりです。
人を見かけで判断してしまうのは人間の愚かな習性かもしれませんが、間違いを正したり謝罪することができない国に自由を守る資格なんてないと思います。
Posted by ラクサナ at 2007年04月20日 09:46
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『グアンタナモ、僕達が見た真実』
Excerpt: 人の道に反したグアンタナモへの道。人としてその道を振り返ろう。 2001年9月、パキスタン系イギリス人のアシフ、ローヘル、シャフィク、ムニールは、アシフの結婚のために故郷パキスタンを訪れた際、隣..
Weblog: かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
Tracked: 2007-04-19 17:44
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