2007年04月23日

クィーン

The Queen.JPG
オスカー主演女優賞に輝いたヘレン・ミレンのエリザベス女王成りきり度と、その気品ある演技を堪能exclamation×2

ダイアナ元皇太子妃の事故死をめぐる、女王&ロイヤルファミリーの葛藤は、新任のブレア首相を巻き込んでの嫁姑を描く“渡る世間は鬼ばかり”ロイヤルファミリー編exclamation&question

っと書いてしまうとコメディのようだけどわーい(嬉しい顔);
誰もが忘れえぬ近年の出来事であるダイアナ妃の悲劇に直面したエリザベス女王の物語ということで、極力タブーには踏み込まず、王室の内部を少しユーモラスに親近感を覚える内容で描いて・・・
その格調の高さは、やはりヘレン・ミレンの貫禄あふれる演技によるところが大きいですね。ぴかぴか(新しい)




The Queen-3.JPG1997年、イギリスでは最年少で第73代首相に就任したトニー・ブレア(マイケル・シーン)が、ファーストレディとなったシェリー・ブース(ヘレン・マックロリー)を伴い、エリザベス女王の承認を得るために謁見する。
そしてその数ヵ月後の8月31日、首相と王室に悲劇の知らせが届く・・・。
チャールズ皇太子と1年前に離婚した後も世界中の注目を集めていた元ダイアナ皇太子妃が、パパラッチの追跡をかわすなか、自動車事故に遭い他界したのだった。
王室の古き伝統から、既に民間人となったダイアナに対する弔意は不必要と考えるエリザベス女王とロイヤルファミリーであったが、そのことは、ダイアナの死を悼む世論と対立することとなり、女王は窮地に追い込まれ、事態を収拾する為に就任したばかりのブレア首相は頭を悩ませる。


The Queen-4.JPGヘレン・ミレンは本当に見事でしたねぇ。
評判の外見は勿論、エリザベス女王を語る作品としては、近年のダイアナ元妃とのゴシップ絡みの時代を取り上げているにもかかわらず、 その気品に満ちた貫禄からくる自負の強さを、言葉の端々から身のこなしから感じる演技で表現して、女王として長い間国に身を捧げた年月や、女王何たるかを十二分に語っています。
そんな伝統を背負って来た女王としてのプライドや信念が崩れそうな、国民との意識のズレに困惑する辺りの演技もさすが。
そして、やはりセンスあるユーモアを感じるのは、スティーブン・フリアーズ監督ならではかな。
首相として初めてやってきたトニー・ブレアに「核のボタンの押し方は習ったの?」っと聞く、およそ浮世離れしたエリザベスには、のっけからぶっ飛びます。(笑)


女王をサポートする終始笑い顔みたいなトニー・ブレアを演じて頑張る頑張る・・・マイケル・シーンには、最初ちょっと引くものもありましたが、中盤からは感心もしたりして・・・
そして弁護士時代はブレアより優秀であったという芯の強さがうかがい知れるかみさんのシェリー・ブース。
女王の人となりに惹かれていく旦那に向かって「マザコン?」なんておっしゃる等の彼女の辛らつな台詞も値千金の面白さでした。(笑)
まぁマザコンといえば、女王の実子でありながら、まるで養子のような希薄な存在感で、自己主張も恐る恐るなチャールズ皇太子。ふらふら
フィリップ殿下を演じるクロムウェルの存在感もそれなりになかなかですが・・・
女王と殿下の寝室のベッドなんかも、そんなに大きくもないWベッドだし(やっぱクィーンサイズ? 笑;)、
女王自身もメガネを衣服で磨いちゃったり、スカーフで鼻かんだりと意外にも質素な暮らしぶり。
雲の上の存在であるはずのロイヤルファミリーを取り巻く空気が、意外にも庶民の空気と似通っているのも見ていて楽しいんですよね。

そんな中で、女王自身が車をかっ飛ばして立ち往生した山中で、一頭の鹿を見つめてそっと涙するシーン。
狩りによってまさに命を奪われようとする美しい鹿が、ダイアナに見えたのか?
終始女王としてあり続けなければならない自身の哀しみなのか?それは謎ですが・・・
女王という位にあっても結局は自分の思い通りにはならない現実に、初めて見せるエリザベスの涙のシーンは、特別印象深いものがありました。もうやだ〜(悲しい顔)
そして、そんな女王を目の当たりにすれば国民も何も言えなくなる様なヴァッキンガム宮殿前のシーン。

The Queen-2.JPG

しかしまぁ〜自国の、それも今の時代に生きる生の王室、女王の姿を、よくもまぁ赤裸々に描けるものだと感心して驚くものはありますが・・・
この作品を観終わって感じるのは、やはりエリザベス女王の類まれなる存在感と好印象ですよね。
つまりは、英国王室も女王健在なりのうちは安泰ではないかとexclamation&questionパンチ
その後の事は・・・知りませんが・・・ふらふら(爆)

そして、現在もゴシップが飛び交い、未だダイアナ妃事故死の陰謀説は潰えていないということは、
逆手に取れば、王室とて国民の関心なくては存在危うし、世論の上に成り立っているのだということかな・・・
恐るべし、憂うべしロイヤルファミリーexclamation&question







posted by ラクサナ at 22:08 | Comment(10) | TrackBack(2) | 2007年 4月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
トラコメ有難うございましたん♪
昨日たまたまTVのニュースだったかで久々にブレア首相のお姿拝見しまして、思わず笑みが漏れちゃいましたです!! だって似てるんだもん!あの笑顔! ってマイケル・シーンが上手だったってことなんですけど!(爆)おまけに奥様の姿もチラリと映って、こうして意識して見るとそれがまたソックリで笑いました! 良くぞここまで・・って感心しますよねこの映画。
時代が変り、国民の王室に対する目も変ってきた事にダイアナの件で初めて思い知らされたのかもしれませんね〜
Posted by マダムS at 2007年05月02日 10:09
やはり、イギリスにおいて、良いにつれ、悪いにつれ、ロイヤルファミリーは絶大なる存在なのでしょうねぇ〜!
で、英国は女王の時代が、もっとも栄えると聞きますが、影の薄い、チャールズの時代になるとどうなってしまうのでしょう?
って、我々には関係ないですが・・・。
また、この時に株を上げたブレア首相もまもなく引退。年月の流れを感じますが、
まだまだエリザベス女王は健在。
この連休でアメリカを16年?ぶりに訪問されるとか。映画もヒットしたし、どういうご訪問になるか?注目しています。
本当にヘレン・ミレンの演技力あっての、この映画でしたねっ。
まさに本物のクイーンと区別つかないほどでした。
あの鹿を見て、涙するシーンは、私は最初は鹿をダイアナと思って・・・と感じたんだけど、後では彼女自身への涙かなぁ〜とも思えました。どっちだったのでしょう〜?
それとも両方の気持ちかしら?
Posted by 紫の上 at 2007年05月02日 16:56
[Em80]マダムSさん

マイケル・シーン、最初はどうかと思いましたが、いやほんと、あの笑顔似てましたね。
っていうかいつも笑ってるようなお顔!?(笑;)
ひゃ、奥様も似てましたか?^^
ブレア首相も、就任10周年を迎えて、来月あたり退任ですよね。
これからは精出してお家のお仕事もしないと奥さんにどやされそう!?(笑)
なんかエプロン姿が目に浮かぶわ・・。(爆)
本当に“見た”というより“見せていただいた”と思う作品でした。^^

[Em80]紫の上さん

昭和天皇をロシアの監督が描いた『太陽』って作品もありましたが・・・
現在の皇室をこんな風に描くことは、まず時代が変わっても日本ではありえないと思うと・・
やはり凄い作品ですよね。
連休に米ご訪問、英入植地ジェームズタウンの400周年記念の訪問になるそうですね。
やはりその注目度には、映画『クィーン』が一役かっている気がしますよね。

私も、あの鹿は最初ダイアナだと思って観てましたが・・
それだけではない在位50年を超える年月での苦悩がにじみ出ている気がしました。
本当にヘレン・ミレン素晴らしかったです。

ヘレン・ミレンといえば、エリザベス一世の方もTVMで演じていて・・女王役総なめ!?
以前BS2で放送されたその作品が6月25日と26日に再放送されるようですね。
レスター伯爵役をジェレミー・アイアンズが演じるようですし、これはちょっと観なくちゃっと思っています。^^

『エリザベス1世〜愛と陰謀の王宮〜』
http://www3.nhk.or.jp/kaigai/elizabeth1/
Posted by ラクサナ at 2007年05月03日 10:28
うわぁ〜、ご紹介有り難うございます。
ヘレン・ミレンのダブル受賞で、こちらも見たかったものです。
こういう歴史劇大好きだし・・・。
早速メモしました。
彼女は現エリザベス・一世エリザベスとどのように演じ分けしているのか?
興味津々です。
またファンのジェレミー・アイアンズも出演。嬉しいです〜♪
何ヶ月前に、BSでドキュメンタリー「世界の王宮めぐり」でスコットランドのメアリー女王を取り上げていたので、見ましたが、
2人の女王対決。面白いです!
Posted by 紫の上 at 2007年05月03日 19:51
今日見てきましたが、こういう映画だったんですね。
弁明、説明ができない皇室の立場から言えば、これは、とっても嬉しい映画じゃないですか。
女王とブレア首相の、立場を超えた歩み寄りで、絆を深めた最後のシーンは素敵でしたよね〜〜〜
見てる間、ほとんどヘレン・ミレンや、マイケル・シーンを意識することなく観てました。
この説得力は、演技力に起因しますね!
ヘレン・ミレンといえば、ドラマの「第一容疑者」がいいですよねーー好きなんですよ。
「モスキート・コースト」のハリソン・フォードの奥さん役だったって信じられませんよね(笑)
Posted by キウイ at 2007年05月05日 00:25
[Em80]紫の上さん

昨年のGG賞2冠作品、私も楽しみにしています♪
メアリー女王とエリザベス1世との対決、悲劇的ですが面白そうですね。
またコスプレのヘレン・ミレンも似合いそう。
忘れて見逃さないようにしなきゃ!笑;

[Em80]キウイさん

そうなんですよね、もっと辛らつなものなのかと思ったら、結構な王室のイメージアップに繋がる作品のようで、ヘレン・ミレンがエリザベス女王の人間味を、威厳を損なわずに演じた点が本当に素晴らしいですよね。

ひぇ、ヘレンさん『モスキート・・』のハリソンの妻役でしたか・・・!?
そうそう『第一容疑者』、以前マダムのおススメで「姿なき犯人」だったか、後編のみTVで観ましたがなかなか面白かったので、レンタルしてこようかと思ってるんですが・・・
これってシリーズ物なんですね?
全部観たくなっちゃいそうです。^^


Posted by ラクサナ at 2007年05月06日 23:37
「第一容疑者」・・ラスサナさんごらんになってないんですね!
私も何作かしか観てませんが、NHKで不定期に
やってましたから、見逃してます。
緻密さ、重厚さ、すべての点で、ドラマを越えるドラマでしたよ。
ヘレン・ミレンの声をした丘みつこが、これまた素晴らしくって、コロンボの小池朝雄に匹敵すると思ってます。
機会があったら是非!!
Posted by キウイ at 2007年05月08日 01:29
[Em80]キウイさん

『第一容疑者』おススメ有難うございます。
どうやらシリーズの中では最新作の『第一容疑者 姿なき犯人』の前後編は、BS2で来月、同じくヘレン・ミレンの『エリザベス1世』放送の翌日から、再放送するようで、取りあえずは見逃した前編から観ていこうかと思います。
吹替えは残念ながら丘みつこではないようですが・・・http://www3.nhk.or.jp/kaigai/primesuspect/

シリーズの前作の方も是非観てみたいですね。ソチラも方も再放送してくれないかしら・・・。^^;
Posted by ラクサナ at 2007年05月08日 10:58
ラクサナさん、ご無沙汰してます。
さすが、女王への理解に満ちた記事ですね。私もやっと見まして、思いっきり毒づいて見ました。TBしましたので。
Posted by Bianca at 2007年05月24日 08:53
[Em80]Biancaさん

コチラこそご無沙汰しております!m(__)m
寅米有難うございます!
わたくしもベタゾイド星の聖杯を受け継ぐ身で、女王への共感は人一倍かと・・(大爆;)
おぉ〜Biancaさんの思いっきり毒づかれた感想が滅茶楽しみでございます。
コチラも寅米させて頂きに伺います〜♪
Posted by ラクサナ at 2007年05月25日 19:33
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