2007年08月09日

リトル・チルドレン

Little Children.JPG『イン・ザ・ベッドルーム』監督・脚本のトッド・フィールドが5年の空白を経てトム・ペロッタ著の同名ベストセラー小説を映画化。
主演のケイト・ウィンスレット、助演のジャッキー・アール・ヘイリーがオスカーノミネートされた事も記憶に新しい作品です。

さてさて・・・大人とは?
したい事をしたいexclamation
思ったこと事を言っちゃいたいexclamation×2
でも良識ある大人だから・・・我慢する。
大人になりきれない子どものような大人とは、ただ愚かなだけなのか?
大人になるって単に抑止力の問題なんでしょうか・・・?
←画像を見ると、かなり不倫色の強い物語なんですが・・・失恋
人間のいろいろな欲望の側面を面白可笑しく突いていて・・・
キャストの見事な演技を楽しみながら、ふとわが身に置き換えたり、ふらふら言いようの無い哀しみに心震えたり・・・もうやだ〜(悲しい顔)
かなり見応えのある大人の悲喜劇を楽しませて貰いました。ぴかぴか(新しい)



ボストン郊外の閑静な住宅地ウッドワード・コートへ、広告代理店管理職の夫リチャード(グレッグ・エデルマン)と3歳になる娘ルーシーと共に越して来た専業主婦のサラ・ピアーズ(ケイト・ウィンスレッド)。
彼女は娘を連れて公園デビューするが、典型的な主婦たちの次元での会話に溶け込めず違和感を感じる毎日。
主婦たちは息子を連れて公園に現れるブラッド・アダムソン(パトリック・ウィルソン)を“プロム・キング”と呼び、彼の話題で持ちきりだった。
彼はキャリアウーマンである妻キャシー(ジェニファー・コネリー)の収入による家庭で、司法試験を目指す主夫。
サラはちょっとした軽い遊び心で彼と接点を持つが・・・そのことがきっかけで2人の間には男女の関係が生じていく・・。
そんな中、小児性愛の犯罪者ロニー(ジャッキー・アール・ヘイリー)が釈放され街に帰って来ることになり、住民たちの危機感を煽るのだったが・・・。


Little Children-1.JPG

現実逃避が不倫であったり、自己防衛のつもりがトンでもない差別へと加速していったり・・・
ここで登場するのは何処か人生をスピンアウトしてしまう大人たち。
モラトリアムなお話ではありますが・・・・何処にでもいるような大人たち。
でも、完璧に自分は大人だ!っと言い切れる大人ってexclamation&question
大人って定義も難しいですよね。ふらふら

Little Children-2.JPG
そんなテーマから深刻な話かと思うと、なかなか面白みにあふれる今作。
シニカルにちょっと笑わせながら・・・ちょっとゾッとさせたりもして・・・
夏の日のプールでの描写や、ナレーションなんかが・・・現代のとんでもない寓話的な趣。
ありがちな物語をユニークにしたてている、キャストたちの演技がまた素晴らしくいいです。ぴかぴか(新しい)

生活力はあるが・・・さえない夫を見つめる冒頭のサラ。
その学歴からか自負の強いサラは、心の中では公園の主婦たちにウンザリしながらも表面上は彼女たちに付き合っている。
そして、これまた美しい妻と愛息を持ちながら何とも中途半端な男ブラッドと惹かれあい、無い物ねだりの子どものように不倫関係一直線・・・。
あ〜まぁ〜なんてトロイ奥さんざんしょ!現代のボヴァリー夫人といったって、昼メロだってこんなの最近ありゃしない!?
てな展開で・・・劇中ジェニファー・コネリー演じるブラッドの妻と対比されてしまっているけれど、ケイトも本当に美しいです。
こんな役柄でもなんか魅力的で憎めない。
勿論ジェニファー・コネリーだけが、この作品では大人の健全さを保っていて、これは演技以前にキャスティングの妙。
現実逃避の申し子のようなブラッド役のパトリック・ウィルソンも、オスカーにノミネートされてもおかしくない程の演技だと思うんですよね。

そして・・
そんな大人子どもの物語に、潤滑油のような役割で出てくるのが、何とも言えぬ風体のジャッキー・アール・ヘイリー。
その潤滑油はこの物語の大人になりきれない主人公が、実はこの街に住む大人たち全てであることを気付かせる。
小児性愛者であるロニーのスタンスは、ダメ大人という点では他の枠を超えている悲劇。
サラの夫が自室でふけるソレと、ロニーがブラインドデートの彼女の側でするソレ。
共に情けないことこの上ない行為だけれど・・・何だか比べてみると辛いですね〜。
どんな努力をしても性癖は変えられぬものだし、ロニーのような性癖を持った人が性欲を満たそうとすれば即刻罪になる。
そんな息子を見守る母親の姿も哀し。

Little Children-3.JPG

ロニーを排除することにのめり込む、常軌を逸した元警官のラリーも、崩壊してしまった自分の生活と向き合うことができないダメ大人。
そんな彼らが人の気持ちや立場を少し思いやり、自分の居場所をほんの少し見つけて、ラストに見せるちょっとしたファンタジー。ぴかぴか(新しい)
それは本当にちょっとした人生の一歩なんですけど。。。

過去は変えられない
だが、未来は違うものになる 
一歩、踏み出さなくては・・・。


かといってこのラストを迎えた後、彼らがダメ大人から完璧な大人になれるという保障もありゃしないんですけどねぇ。
それは、私も同じこととて・・・
自信を持って「あたしゃ立派な大人だ!」と言える日はいつくるのだろう???ちっ(怒った顔)(笑;)


posted by ラクサナ at 22:01 | Comment(6) | TrackBack(1) | 2007年 8月映画鑑賞作品
この記事へのコメント
rakusanaさん、お盆はいかがお過ごしでしょうか?私はお蔭さまで、あまり普段と変わりない日々を過ごせております。
ところで、この映画、度々予告編で見ていますが、プールがさっと空になるところや、「SEXの最中に眠ること無い?」と言う主婦達の会話とか、いかにも米国の郊外の中流階級の風景ですね、清潔ですこし硬い・・・幼児愛の男性、どこかで見たような顔ですが、どこだったか・・・・
Posted by Bianca at 2007年08月13日 17:02
[Em49]Biancaさん

感想アップ無き我がブログ(汗;)へのコメント有難うございます。
猛暑が続いておりますが・・・
お元気でいらっしゃるご様子、何よりです。
お盆中、コチラは普段のんべんだらり〜っとしている分、何かと忙しく・・・・
PC前へ居座る時間が無く失礼しております。

この作品、さすが予告をご覧になって、もう内容を感じ取られているようにお見受けしますが・・・なかなか面白かったですよ。
幼児性愛の男性役ジャッキー・アール・ヘイリーは、あの『がんばれベアーズ』でバイクを乗り回す、ちょいと不良っぽい少年役をしておりましたねぇ。(懐)
お顔はそのまんまな気がしますが・・・[Em162]
最近では『オール・ザ・キングスメン』にも出演しているようです。
Posted by ラクサナ at 2007年08月14日 22:20
ラクサナさん、そうこうしているうちに、見てしまいました!予想以上に繊細で素敵な映画でした・・・・ジャッキー・ヘイリー、一番の存在感でしたねぇ・・・
Posted by Bianca at 2007年08月21日 12:58
[Em49]Biancaさん

おぉ〜ご覧になりましたか!?
コチラは、そうこうしているうちに感想もすっかり遅くなり・・・夏休みの宿題みたくなっちゃいましたが。。。(笑;)
ケイトとパトリックの演技も素晴らしかったですが・・・
私もジャッキー・ヘイリーの絶対に変わることのできない性、人生を抱えた何とも言えぬ目が忘れられませんでした。

Posted by ラクサナ at 2007年08月24日 16:12
rakusanaさん、ギリギリに仕上げた宿題の作文、拝見しました。熟成期間が長かっただけのことはありますわねぇ。細かい所まで復元してますがパンフをお求めでしょうか?
二人の男性の・・・とか、言われてみればその通りで。私はアップするのを諦めました。みなさんの行き届いた記事を読んで参入するのがためらわれて・・・
あのジェニファー・コネリーの優等生的妻ですけど、一見、何の欠点も無いように見えるところがミソかも知れませんね。だって、それで夫は追い詰められているのに、それを気づいていない。あのおっかさんの「いい子でいるのよ」は泣かせますが、おかげでジャッキーはああいうことに・・・。そもそも、彼がこんにちこうあるのも、応接間の人形群など見ても、母親の無意識的影響が大分あるのでは・・・「サイコ」を思わせます。献身的で賢い妻と母が、夫、息子を追い詰める図も見えます。(これはそうありえない自分にたいする巧妙な弁護かも・・)
ところで、「がんばれベアーズ」は、私たちの結婚前、最初のデートで見るはずだった(実現せず)映画なので、思い出深いものがあります。その時の不良少年が、このような皺の顔になったのを見ると・・・歳月を感じますね。
Posted by Bianca at 2007年09月02日 11:26
[Em49]Biancaさん

いや、行き届かない感想でお恥ずかしい次第です。(汗)
最近パンフは殆ど購入していないんですよ。
観てからどんどん月日が過ぎると、思い出すのもなかなか難儀です。(笑;)
いい点は、見終わってすぐにはモヤモヤしてる部分もあるんですが、
月日が経つと印象に残るシーンだけが頭の中でクローズアップされるところでしょうか・・。あはは
あぁ、ジェニファー・コネリーとジャッキーのオッカサンの与えた無意識的な影響・・・
ホント十分に考えられますね、おっしゃるようにあの母親の自宅の雰囲気は並々ならぬものがある気がしました。
わたくしも反面教師的な親ってことで、それに甘んじたい常々思っております。(笑;)

「がんばれベアーズ」、そんな想い出がおありでしたか・・・。
ジャッキー・・・10歳そこそこの子どもが、バイク乗り回し煙草をふかし、ストーンズのコンサートに行く・・・
そんなアメリカのお子さん(ガキ 笑;)には、到底敵わんっと思った作品でもありましたね。(懐)

Posted by ラクサナ at 2007年09月03日 18:57
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『リトル・チルドレン』
Excerpt: 大人の夏休み。 ボストン郊外の住宅地。主婦のサラは子どもを遊ばせるために通う公園で、ブラッドという男性と知り合いになる。第三者の声のナレーションによって、主人公の思考が描写されて、リアルに描かれ..
Weblog: かえるぴょこぴょこ CINEMATIC ODYSSEY
Tracked: 2007-08-18 22:24
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